太極拳の拗歩

太極拳

拗歩とは太極拳の歩法のひとつです。前進していくときの歩法です。

套路の前の動作を組み合わせて搂膝拗歩とか前蹚拗歩とか言います。別名は上三歩です。

「上」は前に進むこと、「三歩」は三歩歩くので、そんな名前なんでしょうけど、上三歩だと、三歩以上歩いたらいけないような気がするので、私は「拗歩」と言ってます。

拗歩の拗は「ねじる」という意味がありますが、動作としては、別段ねじってはおりません。

手足が互い違いに出るので、同じ方の手足を揃えて出す「順歩」に対して「拗歩」というのであろう、でも、ねじってはないよなー、と今までは、あまりしっくりきておりませんでした。

しかし本日、ひとりで公園で拗歩の練習をしていて、ふと、ひらめいたのです。たしかにこれは「拗歩」という名前がふさわしい! と。

超スローモーションで歩いてみると、片足を上げている時間が10秒くらいあります。片足が上がっている状態でも、手足の筋肉は、じっくりじっくりと動いています。纏絲が働いているのを感じます。

纏絲の方向、順と逆が切れ目なく入れ替わっていくのを感じます。糸が巻き続けられているような気分になります。

糸の張力、テンションが一定のまま方向が入れ替わる時、これは「拗」だ! と思ったのです。

なんだか理解できたような気がしました。

先人がどういうつもりで名付けたのかはわかりませんけれど、私としては、腑に落ちた、というか、右脳で理解できたような気がいたします。

最近は、けっこう推手でも拗歩がキマるので、実用的な技だとは感じておりましたが、本日は、さらに確信を得ましたです。

 

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