太極拳の套路の共通動作

太極拳の套路は、複雑怪奇な謎に包まれた動作が、延々と続く、というわけではなくて、いくつかの動作が繰り返されているだけであって、それが毎度、角度や方向が違うバージョンになっているので、みたかんじ、ややこしいだけ、とは、以前から何度も聞いて学んでおりましたが、ようやく実感できてきました。

練習していると、ああ、この動きは、あの動きと同じことをしているんだなあ、というのに気づきます。

説明を受けた箇所以外でも、すべからずその様になっているな、と気づきます。特別にヘンテコな動きというのは、ありえないです。特別にヘンテコになっているとしたら、なにか間違えています。

推手でも、キチッとハマった感じがあったときは、なにかの定式に当てはまっています。定式そのまんまではなくとも、要領が合っています。

老架式も新架式も根本は同じ。これもシチュエーションの違い、バージョンの違いだと教わりました。

コロナ緊急事態明けに、楊式太極拳の教室にも久々に行きましたが、ああ、楊式も陳式も同じだなーと感じました。

こちらは、カルチャーセンター的楊式太極拳教室なので、手はそっち、足はこっち、あっち向いて、力を抜いて、みたいな指導でありまして、勁がどうこうという教えはまったくありません。

それこそ謎に包まれた謎の拳法になっておりましたが、陳式で学んだ原理原則の法則、要諦を当てはめてみれば、本来あるべき動きが見えてきます。

陳式と、楊式とでは、細かい勁の違いとかはあるのでしょうが、おおむね、バージョンの一つと考えて、そう間違ってないでしょう。

陳式はこう、楊式は手の向きが反対、なんてのはナンセンスな話で、たまたまその場では、我彼の関係により、これがベストだった、という話です。

人間の体を動かして、戦う技術です。そんなに闇雲に膨大なパターンを覚えないといけないというのには無理があります。

数少ない原理原則に沿っていたら、その場その場のシチュエーションに合わせたバージョンができていった、というのが自然でありましょう。

このことが実感できたので、ますます上手になっていくのではないかと、自分に期待しております。

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