虚実変換と方向転換

安田先生の、一つの教えが、これまでの自分の太極拳を、ガラリと変えたということは、これまでに何度もありましたが、またまた大きなパラダイムシフトがありました。

今回の教えで、またしても、套路の感覚も推手も大きく変わって、一気に上達した気がします。

これはもう秘伝といっていいのではなかろうか!?

でも、この教えって、思い起こせば、始めの頃にすでに教わっていたのですよね。当時はピンときていなくて、それでもなんとなく実行はできていて、ぼちぼち上手にはなっていたのですけど。

しかしこのたび、改めて教えてもらって、ビビビビッ! と電流が走るような気付きがあったのでした。

それは、なにかというと、虚実変換と方向転換のタイミングのことです。

虚実変換、体重移動、前後左右への移動は、まっすぐストレートにスライドするように動きます(浮き沈みは多少あるし、お尻はやや弧を描くということはありますが)。

体の向きの転換は、虚実が完全に入れ替わったタイミングで行います。

推しながら曲がるとか、引っ張りながら胴体を捻るとかは、NGということです。

これは、頭ではわかっていましたが、推手のときなど、徹底できていなくて、それが原因で崩されていたように思います。

で、推手で実験する機会には恵まれておるものですから、さっそく試してみると、おおっ!感動!

これこそ推手やなあ、と四両撥千斤の片鱗を感じることができたのでした。

で、推手の相手にも、ちょこっとこのコツを伝えると、おお、あなたもできるようになった!

意識の転換、脳みその書き換えで、簡単に、体の使い方が変わってしまうものですね。あとは、骨の髄まで染み込むように、鍛錬です。

この意識を持って套路練習をしてみると、いろいろな細かいところが、よりきっちり、しっくりできるようになりました。意外なところで、打つ動作もシャープになりました。掩手肱拳とか青龍出水とか。

これまでやっぱり、微妙に体を捻る運動が加わっていたのかもしれません。ねじりが取れて、スッキリ打てるようになりました。

回転運動に見える掃腿も、虚実変換と方向転換のタイミングを意識してやってみると、これまでよりずっとスパッと動けるようになりました。掃腿も歩法だと考えると、しっくりきますね。

さらに、私は楊式太極拳の教室にも通っているのですが、指導内容がよくわからんので、いつも隅っこの方で、楊式の順番で陳式をやって、やりにくいなーと思っているだけでしたが、この虚実変換・方向転換を意識してみると、なんか、すごくできるようになりました。

虚実変換・方向転換のタイミングのパターンが違っていたのですねー。一気に理解できました。楊式も陳式も太極拳には変わりないです。

毎回思うことですが、もう20年早く知っておきたかったです。

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