太極拳は養生

「武術太極拳」で膝を壊した人のブログ発見、という話を前回に書きました。

「武術太極拳」は武術じゃない!という感想を持ちましたが、太極拳の大事な目的には「養生」もありますね。

「養生」とは、体をいたわって、健康で長生きするということです。(引っ越し等の際に、壁などを保護する意味もあります)

体を壊すようなことをしていたら養生になりません。太極拳の目的というか、本質から外れてしまっている気がします。

「芸術スポーツのアスリート」だと割り切っている人は構いませんが、世間一般的に持たれている太極拳のイメージは、護身と養生でしょうから、うっかり間違えて、高齢者や子供が、体育と護身を期待して始めたりすると、あとあと具合の悪いことになるんじゃなかろうか?

伝統的な太極拳との区別のために「武術太極拳」という名称にしているのだと思いますが、あまりにも紛らわしすぎます。

スポーツ太極拳とかアート太極拳とかアクロバティック太極拳とかショー太極拳とか殺陣太極拳とか、違うイメージが持てる名前にしたらいいのになあ。

それが魅力的だと思う人もいるでしょうから、マイナスにはならないと思うのです。

伝統武藝とは識別が必要ですよ。

ところで「武術」(本来の)と「養生」は、これは識別するものでなく、同列に語れるものだと思います。

武術は、対人格闘の技術をもって、戦闘行為により、もしくは戦闘を避けて、自分の身を守り、生き延びるためのものです。

養生は、生活習慣を正し、自分の肉体や精神を正常な状態に保ち、外部の環境からも自分の身を守り、生き延びるってことです。

最終目的が同じです。

ついでに、道徳的な精神を養う要素も加われば、武術と道徳で「武道」ですね。現代の中国武術業界は、この点がやや薄めのような気もしますが、本来は、そういう面もセットで伝えられてきたはずです。

私としましては、そういった思想的なところも含めて、太極拳の深いところまで勉強していきたいと願っております。

 

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