この頃、練習していない時でも、常に虚霊頂勁になっているなあと、ふと気づきました。
いつも体が頭蓋骨からぶら下がって、舌が引っ張られて、口の中が真空になって、奥歯がキシッとなって、肩甲骨のあたりの肋骨も引っ張られて、お腹の皮が伸びて、脚のウラまでストーンと体重がまっすぐ落ちて、ユラユラしているかんじです。
立っている時も、歩いている時も、いつも大体そんな感じです。
かつては猫背気味でしたが、今は武道家っぽい、と言われるようになりました。
なんで自分の虚霊頂勁に気づいたかというと、推手で虚霊頂勁になっていない人がおられまして、「まずは虚霊頂勁ですよ!」と教えてあげたからです。
太極拳の基本的な要諦である虚霊頂勁ができていないと、推手になりません。勁が生まれないからです。
虚霊頂勁になっていない相手に対した場合、ほぼ何の抵抗もなく、ただ歩くだけで、自分の通り道から退かせることができます。
どけ、コラー! とか言わなくても、ただ歩くだけ。無人の野を行くが如く、って感じです。
もちろん、ただ歩くだけといっても、見えない程度に接触点で化勁、蓄勁、発勁をやっています。
これが虚霊頂勁ができていない人には簡単にかかるのです。
虚霊頂勁のできている人には、そんなに簡単にはできません。簡単にはできないから、掤、捋、擠、按の四正推手が始まるわけです。
虚霊頂勁という言葉をご存じでない初心者の人には「頭は上に、お腹は下に、目は遠くを、耳は後ろの音を聞いて!」という風に伝えておりまして、これでだいたい近い姿勢になりますね。
推手、というか太極拳の練習は、ここから始めないことには始まらんよなあと、今更ながら思えるようになりました。
すなわち站樁功です。
この一年、毎日站樁功をやってきて、その効果をとても実感しております。それまでの太極拳を始めてからの30年間、ぜーんぜん站樁功に価値を感じておりませんでした。
もったいない時間の使い方をしておった!
最初からきっちりやっていたら、達人の道はもっと進んでいたと思います。
というわけで、太極拳を効率よく上手になりたい人には、站樁功がお勧めです。
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