雀地龍を左右で繰り返すのを120回、という基本功を毎日続けています。
という話をしたら、次に勧められた基本功が、金剛搗碓から単鞭までの3動作を、繰り返してみるということでした。これは徐先生から。
陳式太極拳の套路の最初、起勢、金剛搗碓、嬾扎衣、単鞭までをやったあと、左を向いて、金剛搗碓、ここまでは套路の順番と同じですが、そこからまた、嬾扎衣、単鞭、左を向いて、また金剛搗碓、嬾扎衣、単鞭、一周回って4回、それを4周、合計16回を、毎日。
4周回るのは、なかなか時間がかかります。
套路を通すのは毎日やっているし、最初のところばっかり繰り返すのに、そんなに意味があるのかなーと思いながらも素直に実行するのが私の良いところ。
やってみたら、これはびっくり。
大きな変化を感じました。
最初の2周くらいまでは、さほど、いつもの感覚と変わりませんが、3周目くらいから、体ができあがってくる感じがするのです。纏絲勁が強くなってくるというか。
片足立ちの安定感が抜群に増して、震脚が心地よく決まってきます。手足の軌道が、見えないレールに導かれるようになります。
だんだんと、自分で動いているのではなく、先人が完成させた太極拳プログラムが、インストールされて起動したというような気がしてきます。つまり体が勝手に動くような。
勝手に動き出すと、もう意識は飛んでいってしまって、時間間隔がなくなり、はて、今、何周目だったっけ? ということになります。
いやあ、太極拳の上達って、自分の創意工夫とか、研究努力とかじゃありませんねー。
習ったことを、素直にインストールして、繰り返し繰り返し練習するということにほかならないのですが、これまでののんべんだらりとした練習では、自動操縦プログラムが起動するところまでは、至っていなかったのですね。
名人は日々、基本功だけで毎日1時間でも2時間でも繰り返し、それから套路を10回でも20回でもやると聞きます。
私のように、基本功は準備体操、套路を1回づつ、推手をちょろちょろ、という程度では、ぜんぜん及ばないわけです。
達人への道は、なにか特別な練習メニューがあったわけじゃなくて、量×年数だったのであろうと思った次第。
(もちろん、ちゃんとした先生から、ちゃんとした太極拳を学んでいる前提ですが。)
これからは、練習時間をもっと確保していこう。
太極拳をはじめて苦節、じゃなかったダラダラ30年。達人コースの、はじめの階段に、ちょろっと足をかけたような気がします。
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