太極拳をしている人で、膝が痛いと言っている人を、密かに心のなかでバカにしておりましたが、このごろ、私の膝が痛いのです。
どうも、刀の練習を熱心にしだしてからのような気がします。双刀の基本を習って、毎日ぶんぶん何百回も振っていると、ますます痛くなってきて、しゃがむのも辛くなってきましたので、刀の練習はちょっと中断。
しかし、普通に武器を使わない套路も、伏虎とか跌岔で低くなるときに、痛くて辛いです。
で、痛みなく低くなれるような体の使い方を探っておりまして、気づいてきました。
足の裏にまっすぐ重心を落とすように沈むと、膝が痛い。
お尻の方に、ぐっと、体重を引いて低くなると、痛くない!
膝に荷重がかからないからですね。後ろにひっくり返りそうになりますが…。
これは高い姿勢でも同じことで、後ろにひっくり返る瀬戸際まで、重心を極限まで踵よりにすると、膝の痛みがありません。
ちょうど先日、安定は不安定、ということを教わったばかりで、もしやしてこれか! と気づきました。
太極拳は、一人で立っているときに、安定しまくっているのは実はよろしくなくて、相手に接触しているときに安定するのがよろしい、という話です。
推手でも、相手に粘着して、ぶら下がっているようなのが疲れず、自分からイケイケで頑張ると、疲れてしんどい、ということも以前、教わりました。
私は、安定を求めすぎていたような気がします。片足で、いくらでも立ち続けられるようになった、上達した! と思っておりましたが、まだまだ浅はかでした。
考えてみたら、人に教えるときは、「重心は踵よりです」「膝が爪先より前に出てはいけません」というようなことを言っているのに、自分自身が、まだまだでした。
膝痛になって怪我の功名? またひとつ進化したように思います。
套路の動作も、さらにしっくり来るようになりました。
これまで、なんとなく、勁の充実感が不足している部分があるなあ、こんなものかなあ、と思っていたところが、膝痛カバーのためのフォーム改善で、ビシッと、決まってきたのです。
またひとつ、達人に近づいた!
これで、武器の練習のときも、心がけてやってみます。
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