アメリカの銃乱射事件と銃規制について思うこと

武道・スポーツ

銃社会のアメリカでは、頻繁に銃乱射事件が起こり、死亡者続出。そのたびに銃規制がどうのこうのと言われますが、結局は、武装して身を護る権利が合衆国憲法で保証されているとかなんとかいって、あいかわらず皆様、鉄砲ピストルを持っておられるようです。

銃規制が進まない本当の理由は、利権がらみという説も聞きますけど、それはおいといて、私なりに、銃の所持について思うところを書いてみます。(個人的意見です。)

目次

銃が護身の道具とは思えない

武装して身を護るというのは、私も反対はしないです。武力の均衡で平和を保つという考え方も理解できます。

私は徒手空拳で武装したいと思って、子供の頃から武道の修行をしてきました。(最初は剣道でしたが。)

日本社会で、ドロボーとかチンピラあたりの暴力には、武術、武道を身につけて、その雰囲気を醸し出しておけば、あるていど、抑止力になると思います。

これがもう少し治安の悪いエリアとなりますと、警棒だとかメリケンサックだとか、武器をちらつかせたほうがいいこともありましょう。目に見えて、襲いかかりにくい雰囲気を出したほうが暴力の抑止には効果があると思います。

かよわい女性の護身のためも、スタンガンとかスプレーとかいろいろありますけど、抑止力というのは、武力を保持していることを相手に知らせることで効果を発揮しますから、カバンの中に忍び込ませていてもあんまり意味がなくて、抑止のためには、「私はスタンガンで武装してますから、襲いかかってきたら痛い目を見ますよ!」という警告文を背中にでも張っておく必要がありますね。

 

ところで、銃器に関してですが、警棒をぶら下げていても、背中に張り紙をしても、ヤクザのヒットマンに銃で狙われて、遠方より狙撃されたら無力だと思うのです。

自分自身が拳銃を腰にぶら下げていたとしても、それは同じでしょう。ビルの上から乱射してくる相手には、こちらが銃を持っていても防衛しきれません。

銃はどちらかといえば、攻撃用だと思います。

「われーやんのか、こいつでイテコマすぞ!」と、侵入してきた強盗に銃を向けて防衛するというシチュエーションは考えられなくもないですけど、通常、「金を出せ!」と、先に銃で威嚇してくるのは強盗のほうでして、お互いに銃を向けあったら、どっちかが死にます。

死ぬのは多分、先を取られたほうです。

銃は本来、防衛に使うものではなくて、こっそり遠くから狙って、気づかれないうちに仕留めるためのものでしょう。

猟師が、鹿とかクマを仕留めるのに、警告はしないでしょうし。

銃を弓矢に置き換えたら理解しやすいと思うのですが、防衛のために家に弓矢をおいておくとか背中に装着しておくとか、変じゃないですかね?

飛び道具は襲撃に使うか、反撃、追撃用だと思うのです。

戦争では、攻撃は最大の防御ですから、飛び道具はたいへん効力はあると思いますが、純粋に防御、護身としての道具だとはいい難いのではないかと考えております。

やってきたらやり返したるで、という意味での、国家の武装は必要だと思ってますが、個人での銃の携帯が、やられたらやり返すぞ、という意思表示になりえるのかな、と疑問なのです。

お手軽すぎる武力は危険

アメリカでは、そこらへんのスーパーマーケットでも簡単に銃が買えるそうで、これは思慮がたりなさすぎるでしょう。

この危なさは、日本で言えば教習も受けさせずに、いきなり車を運転させるようなもんじゃなかろうか?

武術や武道の場合は、それなりの武力を身につけるまでに、痛みを伴う訓練が必要です。自分が使えるようになる頃には、技を食らった際の痛みも理解できているわけでして、そうそうおいそれと使う気には、ならないです。

修行したての、急激に自信がついていく過程では、技を使ってみたいという欲望に駆られたりしますけど、生兵法のため反撃を食らって、大怪我したりします。

痛い目にあいつつ、だんだんと武道家としての心構えが身についていくと思いますが、修行もなしに、いきなりマイク・タイソン並みのパンチ力が身についたりしますと、ただの乱暴者になる可能性が高いです。

ちょっとした小銭で、強力な殺傷能力のある銃が手に入るというのは、そういうことではないかと思います。

永世中立国スイスの場合

スイスも銃の所有率はかなり高く、およそ全世帯の3分の一のお宅に銃があるということですが、あんまり乱射事件とかききません。

これは銃を所持する目的が、国家を守るためであり、弾丸の管理とか、ライセンスとか、訓練とか、厳格に決められているからだそうです。

有事の際は、みんな銃を取れ!ということになるわけですが、普段ホイホイ持ち歩いたりしないらしいです。

かっちょいいピストルとかより、軍隊で使う自動小銃が多いみたいですね。

武術とは違って撃たれる痛みを知るということは難しいと思いますけど、防衛の心構えは養われていると思いまして、そこがアメリカの銃社会との違いでありましょう。

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