うちの流派

ある太極拳の練習場の先輩で、とても教えたがりの人がおられます。

親切丁寧に教えてくれるのはいいのですが、内容がデタラメなのです。

陳式はこうだ、呉式はどうのと、一見論理的っぽく説明してくれるので、私も、最初は、へーすごい、そんなん初めて聞いた!と感心して信じていたのですが、私も色々勉強しますから、だんだんデタラメがわかってきました。

陳式は、手足や胴体を、ぐるぐるとゼンマイみたいに捻って、巻かれた胴体が解ける力を利用して、相手をふっとばすのだ! みたいな説明なのですね。そんなアホな。

しかし教室では先輩ですし、別段、私に害があるわけでなし、ふんふんそうですか、なるほど、とつきあっていたのですが、私にも、ねじり巻きパワーを実践させようとされたのです。

さすがにそれは、自分の形が壊れそうで嫌だなあと思いまして、いい断り方を思いつきました。

「うちの流派では、ねじらないよう教わっているのです。すみません。」

これなら角が立ちませんね。

「へーそうなんだ。陳式にも色々あるなあ」と納得してもらえます。

うちの流派っていっても、陳家溝の太極拳というだけですが、先輩は陳家溝に何度も訪問したことが自慢なので、それは触れずに、なんかよくわからんマイナーな弱小流派というイメージでいっとこうと思います。

「うちの流派では…」というのは、色々言い訳に使えそうで、便利ですね。

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