太極拳の擺脚

いつもは老架式一路二路刀棍大刀双刀と、ひととおり練習するのですが、雨降りの中一時間半みっちり気持ちよく、一路拳ばっかりやってみました。

5回も通すと、呼吸がどんどん深くなり、呼吸で手足を動かしているような気がしてきます。全身が空気ポンプみたいな感じになります。肺やお腹がパンパンになって、ちょっと苦しいような、全身活性化してきたような。

このとき、気づいたのです。

太極拳の擺脚、今までやっていたのは、形ばかりのパッチもんだったなーと。

擺脚というのは、足を内側から外側にグルンと回して、両手でパパンと当てる太極拳独特の蹴り技ですね。歩法でもあるとは習いましたが、蹴り技にしては、なんだか頼りない感じがしておりました。

たしかに、ゆったりした動作の中で、ひときわ目立つシュパッと切れよい動作で、パパンッ!といい音が鳴るとかっこいいですが、これ、当たってもそんなに痛くないよなあという気がしてました。

空手とかの回し蹴りとは、ずいぶん違います。

溜めもないし、屈伸もありません。股関節を軸に振り回すだけです。中足や踵や脛でなく、足の横っちょで当たる感じです。こんなの使えるか? 推手でも使わないし。

しかし、全身ポンプ状態で擺脚をやったとき、なんだか閃きました。

お腹に空気が出たり入ったりするタイミングとぴったり合うと、すごい勢いで巻き込むような、回転型ギロチンのような鋭さになります。(そんなギロチンがあるのかどうか知りませんが)

これ、蹴っているのではありませんね。根本的に誤解しておりました。

手と足、上と下で、挟み込んでいるのです。巻き込んでいるのです。ハサミでちょん切るような感じです。圧縮された空気が、爆発して、エンジンがグルン!と回る感じなのです。

ちょっと言葉ではなんとも説明し難いですが、足を振り回して蹴っ飛ばすという認識は、間違っていたなあと気づいた次第です。

 

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