マーク・フィールズ社長

中古車屋さんの裏話

私がマツダのディーラーで働いていた頃、親会社のマツダが危機的状態に陥り、財閥系銀行の傘下から、アメリカの自動車会社フォードの傘下になりました。

そして、社長が外人になったんです。

フォードから送り込まれてきたのがマーク・フィールズという、38歳の男前でした。

フォード傘下になると、ディーラーの再編成やら、販売スタイルの変革やら、随分変わりました。

営業マンは、カバンを持って一日中外回りか、喫茶店で時間を潰している新車販売スタイルが、店頭でインカムつけて爽やかに待ってるというスタイルに変わりました。

値引きのマツダとか、マツダ地獄とか評判だったのが、ずいぶんスマートになりました。

我々下っ端の現場の人間には外人の若造が何するものぞ、という雰囲気があったんですが
痛みを伴う大改造があったんですねー。

私は中古車の卸売部門だったので、あまりピンとくることはなかったんですが、新車販売の友達から聞いた印象深い話。

展示車のタイヤの上下を揃えることを徹底されたんだそうです。

ホイルの真ん中に、マークが入ってますね。ベンツや三菱ならどこが上でもいいようなかんじですが、それ以外は、だいたい向きが決まってます。

これをちゃんと揃えなさいと。

止まってる車のタイヤを回すのって、けっこうめんどくさいんですね。キャップだけクルクルまわせるのはいいですが。

そんなとこ、誰が見るねん!と、現場では非常に不評だったそうです。

しかし、一事が万事。そんな細かいところから改革が大事だったんでしょうねー。

靴を揃えなさいというのと同じだったのかも。

まさか、外人に言われるとは。

しかし、あれから10数年、見事にマツダは蘇りましたねー。

先日、最高益とか新聞で読みました。

親会社になってたフォードの方はリーマンショックで大変になってマツダを手放したりしましたが、それを支えたのは、かつてマツダを立て直したメンバー達だったそうです。

そいうわけで、マーク・フィールズ社長、フォードCEO就任おめでとうございます!

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