高難易度の表演に疑問

東京で行われていた武術太極拳選手権の全国大会をライブ中継で見ました。わがファミリーは音楽会だったので、合間合間に、ちょこちょこっとスマホで。

出場者の皆様、スタッフの皆様、お疲れ様でした。良い成績を出された皆様、おめでとうございます。

ところで、おしまいの方にやっていた難易度が高いらしい表演をみていて、なんだこれ?と思ったのがありました。

太極拳以外はわからないのでノーコメントですが、太極拳らしいのに太極拳っぽくないのがあるなあとおもったのです。

足を高く上げたまま、片足でしゃがみ込んで、また立ち上がるとか、片足を背中側から回して、前方にピーンと伸ばしながらしゃがんでまた立ち上がるとか、二起脚で蹴り上げた方の足で着地して、しゃがみ込むような片足立ちのまま、しばらくプルプルと我慢するとか、私がこれまでに学んだことはもちろん、聞いたこともないような、拳譜でもカンフー映画でも見たこともない、技といっていいのかよくわからない謎の動作があったのです。

何人もが同じことをしていたので、一人の前衛的で独創的な選手の奇天烈な思いつきではなさそうです。ということは、規定の動作なのか? それとも最近の流行を自選套路に組み込んだ?

たしかに難易度は高そうなのです。バシッと決まれば、おおおっ、すごい!と拍手喝采したくなります。サーカスの空中ブランコ、見事成功!といったかんじです。

しかし、それが何度も続きますと、新鮮さもなくなります。

美少女選手がやるなら何度でも見たいですが、私よりちょっと若いくらいのあんちゃん選手達がやっても、それがどうした、ってかんじ。

私はあんなん、ようしません。練習すればできなくもなさそうですが、膝とか腰とか、いわしそうですね。

日頃、伝統の太極拳を学び、鍛錬し、推手の研究をし、他武術の人と交流して、切磋琢磨している私の目には、それらの動作に、武術的要素とか、意味合いがさっぱり見えてきません。

見えない私が修業不足なのかもしれないですけど、その高難度動作以外の動作にしても全体的に、その体の使い方で、推手できる? という表演が多いように見えました。

ぴしっ、パシッと激しく動いてるので、打撃が当たれば痛そうですけど、搭手で組めば、よう当てんのじゃないかなあ。

全国大会ですから、各都道府県のトップクラスが集まっているわけですよねえ。(私も大阪府の大会の刀剣の部で金メダルをいただきましたが、刀剣の部は、全国大会出場の対象ではなかったようです)

前から、表演のための套路にあんまり値打ちを感じておりませんでしたけど、全国大会を見て、ますますウームと唸ってしまうのでした。

もしかすると、伝統武術の表演もあったのかもしれませんが、ライブ中継はなかったようです。

伝統拳は地味なんで、放送は割愛されたのであろうか?

しらんけど…

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