拳譜を書く

拳譜といえる程たいそうなものでもないですが、初めて習ったことをイラスト付きのメモにしたのが、浙江省杭州での武術ツアーで、酔拳を学んだときでした。

それまでも、少林寺拳法と太極拳は習っておりましたが、それほど熱心に記録したりはしてませんでした。

クラブや教室で、毎日とか毎週、習い続けるものだったし、間違ってたら先生や先輩が(厳しく)直してくれるし、テキストもありましたし、紙に記録しなくても、ボチボチ覚えられました。

しかし、武術ツアーは、テキストもなく、なんせ時間が短い! 一週間しかないんです。

帰国してから練習しようにも、忘れてしまったらアウトだと思って、毎回の練習後、ホテルの部屋でその日のレッスンを思い出しながら、メモ帳に一生懸命、絵と説明文を書いておりました。

おかげで帰国後の発表会で喝采を浴びましたし、その後も数年に渡り、あちこちで宴会芸のノリで披露できました。

(短縮バージョンだったようで、そんなに長い套路ではなかったです。形ばかりで勁とか中身までは習得できてませんでしたけど)

今はもう、酔拳はもうすっかり忘れたし、拳譜はどこかにあるはずですが、見当たりません。自分が学生時代に書いた拳譜、ぜひ見てみたいものです。

で、今も似たようなことをしています。

安田先生からの学びは、あまりに広く深く細密なので、忘れないように、いつもレッスン後に、そこらへんのフードコートとかでノートにメモしています。

練習中は、なかなかメモも取れませんから、真剣に記憶します。

帰りの道々思い出したりして、電車ならいいですけど、車なら次のパーキングエリアで停めたりしてメモします。

だから、帰り道は、なかなかに時間がかかります。

帰ってから、公園とかで習ったことを復習していて、思い出すこともありますね。思い出したら、ノートに追記です。

この習慣、上達に非常に役立っております。

その場でノートに書くというのでなく、その場では記憶する、というのも脳みそが活発に働きますし、あとで思い出すというのも脳みそへの定着になりますね。

私の場合、さらに、自分の生徒さんへの教材に生かしておりますので、三度でも四度でも味わえます。

さらにさらに、教材は新しい気付きや発見があるたびに更新してますので、五度でも六度でも味わえます。

これ、勉強法としても、最強のやり方じゃないでしょうか。

そこらの教室では、先生の見本を動画で撮ったりしているような人もおられますが、あんなのはアカンと思いますね。

そんなんやっている人で、上手になった人を見たためしがありません。動画をコレクションして満足して終わり、ってなものでしょう。

自分の頭と体を使いませんと。

ところで、作った拳譜を生徒さんに渡すというのは、さて、一長一短かなーという気もしています。

私にとってはすごい勉強になってますけど、生徒さんにとってはどうだろうか?

脳みそを使わなくなるんじゃなかろうかと、やや心配です。

まあ、熱心に練習して、疑問が湧いたときにでも、見返してくれればいいか、という程度に考えております。

それよりも、テキストには、太極拳にまつわる面白話や、豆知識、レッスンではあまり説明できない要諦についてなどを充実させるようにしています。

いちおう拳譜がメインで、おまけ的に書いていましたが、だんだんそっちのほうがメインになってきました。読みやすいように、できるだけ面白おかしく工夫しています。

生徒さんたちも、そっちのほうが楽しみ、ということで、まあ、それはそれで良いか、と思っています。

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