水素自動車の仕組みを勉強しました

カーライフ

京都市動物園に行くと、ホンダの水素自動車FCVが展示してあり、子供向けの水素エンジンの実験がありましたので、参加しました。

水素自動車は、官公庁などで使用されているのは知っていますが、実際に間近で見るのは初めてです。

水素自動車の仕組みもなんとなく知ってましたが、実験で、よく理解できましたので、ブログに書いておきます。

目次

水素自動車の仕組みを模型で解説

これが、実験に使われた模型です。うちの小学1年生の娘は「これ、持って帰っていいの!?」と何度も聞いておりましたが、くれません。

プラスチックの本体や注射器は安いものでしょうが、水素と酸素を合成させて電気と水に変える、真ん中の黒いプレートはホンダの技術の粋なのだと思われます。

注射器には水素缶から水素を充填しています。この注射器が燃料タンクということになります。

動力を発生するモーターは、電気で作動してタイヤを回します。

模型の真ん中に置かれている黒いプレートが、電気を発生する装置です。燃料が注射器の中の水素です。酸素は、そこらへんの空気中から勝手に入り込むように、プレートには空気取り入れのための穴が空いております。

注射器をちょっと押すと、プレートに水素が送り込まれ、プレートが発生させた電気は赤と黒の電気コードを伝わって、モーターが動いて、タイヤが回転して、模型のクルマが走り出すというわけです。

同時に水も発生しているはずですが、ごく少量なためか、見えませんでした。

ホンダFCV

こちらがホンダFCVに積まれている水素による電気発生装置です。模型で使われていたプレートが300枚くらい入っているそうです。

水素タンクは、後部座席の後ろあたりにあります。

展示車はずーっとアイドリングを続けておりました。子供や動物がたくさんいる動物園の中でアイドリングしているなんて、言語道断のようですが、排気ガスは出ないのでノープロブレム。

車の下の地面を触ってみると、なんとなくしっとりしておりました。排ガスじゃなくて、排水ですね。

私は水素自動車が普及したら、そこら中の道が水浸しになるイメージを持っておりましたが、そんなに水が出るほどでもないようですね。この程度なら、エアコンをかけた時に出てくる水のほうが多いです。

水素の充填は3分ででき、一度の補給で700km以上走行できるということでした。ハイブリッド車のいいのでも、600kmくらいということですので、かなり優秀です。

発生させた電気は、外部装置につなげれば、災害時の非常用電源としても使えるということでした。

水素自動車の価格

市販はされていないので定価ではないのですが、およそ700万円というところ。水素自動車には補助金が200万円ほどでるので、実質は500万円くらいということです。

結構な高級車のお値段ですね。

しかし見た目、スタイル的には大衆車ですが、サイズはかなりでっかいです。幅は180cmを越えてます。長さも5mくらい。クラウンくらいはありますね。

水素タンクとかの構造の加減で、5人乗りにしようとしたらこのサイズで最小なんだとか。我が家のガレージには、ちょっと苦しい感じです。

燃料代ですが、水素の単価から考えて、満タンで5000円とか6000円くらいじゃないかという話ですが、実際に普及しだすと、水素燃料にも課税されるだろうから、まだ、はっきりとは言えないというお話でした。

水素自動車のメリットとデメリット

一番のメリットとして強調されていたのが、やはり地球の環境に優しいということです。

燃料の水素は、水を分解して作ります。水の分解のためのエネルギーには、太陽熱とか風力を使います。水素燃料は、車を動かした後は、空気中の酸素と結合して水に戻ります。

これならば、グルグルとエネルギーが循環していきます。使えば減っていく化石燃料を掘り出して燃やさなくていいのです。二酸化炭素が出ないので、地球温暖化を防ぐ、ということです。

デメリットは、いまのところ、値段が高いのと、インフラが整っていないということでしょう。水素スタンドが少なすぎるし、ガソリンスタンドと併設はできないし、新設していくのが大変らしいです。

家庭で水素を作る機械もあるのですが、けっこう場所を取りますので、広い庭のあるお家にお住まいの人でなければ無理です。

ハイブリッドカーが普及したのは、最初にトヨタが赤字覚悟で、売りまくったからだと聞きます。大量生産できれば単価が安くなるので、利益は普及後にいただこうという計算だったそうですが、水素自動車で同じことができるかどうかですね。

それに給電設備の増設より、水素スタンドを増やすのは、ハードルが高そうです。未知の事故も怖いですし。

水素自動車とゴルゴ13

以前、マツダがベンツと組んで水素ロータリーの開発をしていた話を聞いたことがあります。私はマツダのディーラーに勤務していたので、おお、すごいぜと夢を持っておりましたが、ゴルゴ13により、打ち砕かれました。

まあ、マンガのネタではありますが、ゴルゴ13が石油メジャーの依頼を受けて、水素エンジン車の走行実験中に狙撃して、事故にみせかけ、やっぱり水素は危ない! ガソリン最高!と世論を導いたというストーリーがあったのです。

新たなエネルギーの出現は既存の利権を脅かすのだな、などと勉強になりましたが、最近のそのあたりの動向はどうなのでしょうね?

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