週に一回開催しているマンション自治会の太極拳教室で、擒拿の練習も取り入れることにしました。
メンバーは女性ばかり、それも60代70代、しかも練習会場は屋外の公園ですから、少林寺拳法の柔法みたいに、関節を固めて投げて床に転がして、うつぶせに返して押さえつけ、さらに帯で縛り上げる、なんてことはできません。
うちでやるのは、推手のバリエーションを増やしてみた、くらいのイメージです。
いつもやっている推手を、もっと粘っこく、ひっついて、手首や指や肘に引っ掛けてみましょう、取られそうになったら、手首を柔らかく返して、指はクラゲみたいにすぼめて鈎手になって逃げましょう、というかんじで、ペタペタ、ヌマヌマとやっております。
逆を捕るまではしないので、関節技とは言えない感じですが、それでも肘をあげたり、手首を固めたりしなくなる効果がでてきました。
相手の関節を捕ろうという執着心が出たとたん、バランスを崩されるし、相手を押そう引こうという心が出ると、引っ掛けられるので、用心深くなります。擒拿を意識することで推手が上手になるかも。
強気で手首を握ってこられる人がいたので、ちょっとだけ逆を捕る例を見せて、イテテテ体験をしてもらいました。参考までに、押したら痛い手首周りのツボとかも示すと、けっこう面白がってもらえます。ここらへんは少林寺拳法で学んだ知識です。
こんなんでも、多少は護身術になるかもしれません。
よく、女性の護身術とか言って、実践しがたい知識ばっかり教えるのとかありますけど、実際に手と手を触れあって、関節の動きを実感する訓練を重ね、自然と動けるようになった方が、役に立つんじゃなかろうかという気もします。
套路のイメージも変わってきますし、擒拿って上級者向けじゃなくて、あんがい初心から取り入れてもいいんじゃないかなあという気がしてきました。
ただし関節技に執心してしまうと弊害もありますので、難しいところではあります。
関節技を狙ってこられる人の多くが、太極拳が下手なのです。とくに他武術経験者の男性。太極拳と関節技が、全然つながってなくて、違う格闘技を切り替えている感じになっています。
套路と擒拿は同じ! という感覚を最初から持ってもらえれば、変な知識のない初心者のオバサマの方が上手になるかもしれません。
教室の終了後、次回のレッスンの課題研究のため、妻とさらに練習してみました。大股で前後する大捋推手も、擒拿の要素を組み込んだ方が充実してやりやすいのではないか? という気がしてきました。
妻は、そんなに真面目に練習しないし、套路も覚えてませんけど、推手や武器も一緒にやっているうちに、なんだかずいぶん太極拳が上達してきました。
うちの教室以外で手合わせもしないので自覚はないと思いますが、けっこう外でも通用すると思います。調子に乗らないように、黙っておこう。
推手道場には少々手荒にやっても大丈夫な人もいるので、今度行ったときに、妻には試せない、ひっくり返したり投げたりも、いろいろ研究させてもらおうと思います。
コメント