縮地と陰陽

縮地法と言うのは、地面(空間)を縮めるイメージで、相手に悟られないように、近づいたり離れたりする技術のことです。

安田先生に太極拳を学び始めて、わりと早い段階で、その概念や具体的な足運びを教わりました。

しかし!

わかってなかったですねー。

縮地テクニックが使える場面は、こことここ、あえて使う場合は、よっこいしょ、みたいな理解だったのですが、それはまるで浅い解釈でありました。

套路のあらゆる部分に陰陽があるように、あらゆる場面で縮地歩法があるなあと気づきました。というか、縮地は陰陽そのものです。沈墜とか開合も同じですね。

あらゆる場面で縮地を意識すると、套路が変化しました。これは目に見えて変わります。

また一歩、達人に近づいた!

こんど推手でも試してみよう。

なんとなく秘伝の部分に触れているような気がしないでもないので、詳しく書くのは憚れますが、段階的に感覚を養ってこないと、辿り着けない境地だと思いますので、まあ、大概の人にはわかりますまい。

初心者に説明してもチンプンカンプンでありましょう。

いや、わかる人にはわかるのかなあ?

「それやっ!」と、持った湯飲みをバッタリ落とし、小膝叩いてニッコリ笑うような人がいないとも限らないので、これ以上書くのはやめときます。というか、感覚的なことなので、説明し難いです。

ちなみに、ウェブ検索していたら出てくる「仙術によって地脈を縮め、距離を短くすること」ではないし、日本古武術の「体を大きく前傾させ、重力を利用して素早く移動する」技術ともまるきり違います。

密着戦法を得意とする太極拳ならではの歩法ですから、何メートルも瞬間移動するようなものではないし、倒れ込むなど、太極拳の要諦に外れるものでもないです。纏絲の感覚が養われていなければ理解は難しいと思います。

なお、北の将軍様が抗日闘争で使ったと歌われる伝説の縮地法は、全然関係ないように思われます。

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