私が教えている人の中に、太極拳に必要であろう股関節の柔らかさを十分備えている人は、いません。
私自身も、まだ理想の10分の1ということになりますが、みなさん、その私のまだ10分の1くらいです。
うちに来られた時は、しゃがむこともできなかった人もおられます。
高齢者ばっかりなのでしょうがないとは思いますが、しかし、中学生のうちの娘もしゃがむのが下手です。ウンコ座りをしようとしたら、後ろにひっくり返りそうになります。
バレエを習っているので、開脚はできるんですが、それだけでは太極拳はできませぬ。
これはやはり日頃の生活習慣でしょう。
和式トイレでウンコをする機会が減り、タライで洗濯とか、廊下雑巾がけとかもしなくなった昨今です。
私が子供の頃は、洋式トイレは珍しく、学校の掃除は、廊下も階段も雑巾がけでした。大学の少林寺拳法部でも、雑巾がけで体育館の端から端まで走っておりましたし、兎跳びもバンバンやっておりました。
私の生徒さんらの若いころは、タライに洗濯板を入れて、しゃがんでゴシゴシやったり、農作業やら庭の草引きやら、やっておられたはずですが、時代の変化に合わせて生活習慣が楽に流れ、体は衰えていったものと思われます。
日常生活のあり方で、太極拳の質は大きく変わる、と確信している今日この頃なのです。
というわけで、私もこの頃はしゃがむ機会を増やしています。
ありがたいことに、我が社の管理物件に、3階建てのテナントビルがありまして、そこの共用部分の掃除は私自身がやっております。
以前は、バイトのおばちゃんがやってくれてたんですが、数年前に、お年を召してしんどくなったということで引退。コロナで暇だったので、週一回、私が掃除しに行くことにしました。
最初は、おばちゃんのやり方を踏襲して、掃除機とモップを使っておりましたが、箒と雑巾の方がキレイになるなあと気づいて、廊下も階段もしゃがんで雑巾がけをするようになりました。鍛錬の為というわけではなかったのですが、けっこう鍛錬になってましたね。
ダンススタジオの鏡なんかも、雑巾で上から下まで磨きます。これはまさに、ミヤギ老人に鍛えられるダニエル君の気分。ついでにスタジオの鏡を見ながら、套路の練習をしたりもします。(安普請の鉄骨ビルなので震脚はしません)
ビル周辺の草引きもあります。お墓参りも草引きチャンスですね。
トイレは和式を選択、といいたいところですが、ウオッシュレットに慣れてしまっていて、洋式を選んでしまいますねえ。和式トイレにウォッシュレットがあればいいのですけど。
低い姿勢で基本功を一生懸命やるのも良いと思いますが、日常生活の中にも鍛錬の機会は結構あると気づいたのでありました。
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