八百長の練習?

また表演のイベントに参加させてもらえることになったのです。

推手道場の道場生のIさんが主宰する教室のイベントです。

こちらでは前回、私にとって初めての表演をする機会をいただきました。ありがたいことです。前は双刀でしたが、今回は大刀で出演させていただこうかと思います。

ゲスト出演のはずなのですが、なぜか設営主任と音響設定係というお役目までいただいております。笑

道場生全員でも団体出演をします。

前回は、ただひたすら四正推手をするだけという退屈な表演でしたが、もうちょっと面白くやってみようと、コンビとなったWさんと打ち合わせをしています。

Wさんもご自分の教室を主宰されているベテランです。世間的にはおばあちゃんという年齢で、お孫さんもおられますが、すごく若々しいです。

別の陳式教室ではWさんが私の先輩ですが、推手道場では私が先輩です。

Wさんは、道場に来られるようになってから推手を始められましたが、メキメキと上手になられました。

ただ、わりと勝気な性格であり、押そう、引こうとするときに気合を入れがちで、そこを毎度、私に崩されています。もう少し捨己従人の精神でやってくれれば、もっと上手になるはずなのです。

で、表演では私がタイミングを合図しますんで、丁寧に発勁してください。私がうまくとらえてぶっ飛びます。と、提案しました。

Wさんは若々しいですが、さすがに木の板のステージ上で転げまわるのは酷ですから、私が飛ばされ役をします。

四正推手を回して、いいタイミングが来たら「今!」とか「次!」とか「ハイッ!」とか、私が小さい声で合図をして、タイミングを合わせて小さく発勁してもらい、それを食らった私が、うわーっとぶっ飛んだり、クルクルクルーと回っていったり、足が浮いて頭からつんのめったり、床にたたきつけられたりというデモンストレーションの練習をしました。

いつも私に崩されているWさんが、私を派手にぶっ飛ばしているもんですから、ほかの道場生の皆が、目を剝いてビックリして面白い!

「私、こんなちょっとしか動いてなくてええの?」とWさんは疑問に思われたようですが「動きがない方が達人っぽくて宜しおまっせ」と自信を持っていただきました。

まあ、ヤラセ八百長ですけど、無理なく自然に発勁が決まるというのは、お互いにそこそこのレベルになっていてこそです。コンビ相手がほかの人だと、難しいかも。

「これ、いい練習になるねえ!」とWさんが感想を述べられました。

私にとっても、いい練習になります。いつもN先生に発勁を食らわされておりますが、自分から相手の発勁を引き出す練習なんていうのは、今回の出演依頼がなければ、思い付きもしなかったと思います。

相手の発勁を引き出せるといいうことは、相手の発勁を潰せるということでもあろうし、また達人に一歩近づいたなあ。

これを見た人にとっては、Wさんが達人で、私はやられ役ですけど。

でも、合図なしでできるようになれば、Wさんも達人に近づきますね。Wさんの教室に、生徒さんが殺到するかも!

(挑戦者が押し掛けてくるかもしれませんけど)

コメント

  1. 60代おやじ より:

    そうなんです。やはり先生は「一見四水」の体現者! あらゆる事象から凡人とは違って、自身の成長の糧をつかみ取っておられる。「達人」も近いですね。

    • パパだよ より:

      おやじさま

      ありがとうございます。
      一見四水という言葉は初めて知りました。勉強になります!

      何でも勉強、この業界、約束稽古を八百長だと馬鹿にする人もおられますが、なかなか捨てたものではありませんね!