X
    Categories: 太極拳

関節技講習会

異流派推手交流会で親しくなった空手家のTさんにご招待され、自宅兼道場にお邪魔しました。

関節技教えてよーってことで。

もうおひとかた、元散手金メダリスト現キックボクサーの、筋肉ムキムキのOさんもお見えになっていました。

今回は、お仕事で都合が合わなかったけど、ぜひ参加したかったという人がほかにも二人ほどおられるとか。人気者やなあ。私。

道場といっても、ガレージを改装した小さなスペースで、なんだか香港映画に出てくるようなかんじ。古今東西の武器やら鍛錬器具がいっぱいおいてあって怪しさ満点です。

TさんとOさんの、キックミットの蹴り合いはすごい迫力で、こんなお二人に私が何を教えるねん、みたいな気もしましたが、関節技は知らないということで、浅学な私でありますがお役に立ちましたらと、ご一緒に練習いたしました。

ところで、私は少林寺拳法の柔法は一通り知っていますが、最近追及しているのは、支那武術の擒拿術です。

まだちゃんと統合的には学んでなくて、太極推手に少林寺拳法をミックスしたような感じなんですけど、まあ、使えます。

3時間でひととおり体験、習得していただこうと思いまして、少林寺拳法の、抜き技から始まってひとつひとつの技を進めていくというやり方じゃなくて、ざっくりした概念と、基本的な動作と、その応用例を示させていただきました。

おわるころには、自由に関節技の掛け合いまでできるようになりました。さすがやなあ。

なかなかに面白く、喜んでいただけたと思います。

私の関節技のやり方はこんなのです。

少林寺拳法で多用される鈎手(かぎて)手法は使いません。でも鈎手(こうしゅ)は多用します。同じ字ですけど、このふたつは真逆の動作です。

鈎手(かぎて)は、つかまれた手をパーに開き、相手に力を入れさせなくするというものですが、これだと勁の流れが途切れてしまって、太極拳的ではないのですよね。

鈎手(こうしゅ)は、5本の指先を合わせて、スルリと逃げるように使います。勁の流れが途絶えません。

そして、関節を極めるのは二の次です。それより上下相随を崩し、肩と肘の位置関係をずらし、力の入らない体勢に持っていきます。ここは推手と同じです。

その動きの中で、関節に引っかかっていれば関節技になるし、ひっかかってなくとも崩したり投げたりできれば目的は達成というものです。

目的とは、壁にぶち当てるとか崖から落とすことであり、制圧ではありません。ここが少林寺拳法との大きな違いです。

制圧に執着すると、逆に逃げられたり、踏ん張られて反撃されたりして本末転倒な結果になりがちです。

関節技は成功せんでもいい、というのが、私のこの頃の関節技観なのです。

その心構えでいると、すごく楽で自由で、しかも実戦的です。

いちおう基本動作には、順刁(ちょう)腕、反刁腕、正接腕、反接腕の4つの方向に手首を曲げるというものがありますが、どんどん変化させていいし、指を捕るとか、お腹で押し付けとくとか、なんでもやればいいですね。

両手が荷物でふさがっているので、足やお尻でドアを開けるみたいなかんじ。

自由な掛け合いでは、思いもよらず、太ももと肘で相手の手首を挟んで、極めていたりしてました。

われながら、おおっ、こんなことができる! と驚きました。

全然違うジャンルの人と、全然違うことに取り組むというのも、なんだか化学反応が起こるかのようで、面白いものです。

練習後は、道場で缶チューハイとおつまみでプチ宴会。大いに盛り上がり、いい感じで酔っ払った私は、最終電車で寝てしまい、終点の八尾南から自宅まで、夜道を4時間歩くことになってしまったのでありました。

パパだよ:

View Comments (2)

  • ①既に実績のある猛者達から乞われて指導に出向き、
    ②指導する中で自身にとっての気付きも得、
    ③大いに飲み語り、
    ④普通は絶望しながらタクシーを利用するところを、
     悠然と徒歩で帰路に向かう、、、

    これこそ達人の所作です。ご立派です。

    • おやじさま、ありがとうございます。
      あら、遠いところまで来てしまった、サバイバル訓練ができるチャンス到来、やったぜ! という気持ちですね!

Related Post