私の主催する、マンション自治会青空公園太極拳教室(仮称)では、実験的レッスンも結構やっております。
私が新たに習ったり、気づいたりしたことを、皆の衆にもやってもらって、実効性再現性を試すのです。
教室のメンバーは、私を含めて10人。マンションの住人はそのうち4人、私より年下は私の妻だけです。太極拳未経験から私の教室で習い出したのは4人。あとは皆、他の教室の経験者です。よそのレッスンでは学び足りない熱心な方々ですが、そんなに上手な人はいません。
ですので、皆の衆にはちょっと早いかなあと思う内容もありますが、まあ、何でも体験、上達の役に立つかもしれんと思って、やっとります。
今回は、用法の研究をやってみました。
初心者に用法、用例を示すことは、実はあんまりよろしくないとも言われます。基本的な体、感覚ができていないうちに、用法にこだわってしまうと、上達しなくなるからです。
でも、ウチのメンバーは、陳式推手もまあまあやっているし、対人の距離感もなんとなくつかめてきているように思うので、套路の形と推手がどうつながるのか、套路の形の意味も、そろそろ感じてもらえばいいだろうと思ってやってみました。
まずは懶扎衣と単鞭は、こんなふうに使えますよという見本を見せて、体感してもらいました。ありきたりですが、相手が拳で殴ってきたと想定しての見本です。
どうしても、えっ、手はどっち? 足はこっち?という方向に意識がいってしまう人はいますが、複雑に考えらんと、とりあえずやってみなはれ、というかんじ。
相手とのかかわりようで、いかようにも変化する、さっきの人と次の人では同じようにはならない、一回限りの技になるかも、というかんじで説明しています。
推手からの変化も示して、なるほど推手とはこういうものだったか、と感じてもらいました。
次に、見本を示さず、六封四閉と金剛搗碓の使い方を考えてみてくだされ、とやってみました。
これがまあ面白い。
みんな頭が固いなーと笑ってしまいますが、私もいきなりこんなお題を出されたら、アタフタしていたであろうと思います。
私は、先生にかけられた体験があって理解できたのであって、その体験がなく、それまでの少林寺拳法脳で解釈していたら、新しい発想は生まれてこなかったでしょうね。
できてもできなくてもいいから、自由に発想して試してみましょう!としばらく時間を取りまして、アタフタ苦労させて、脳味噌にも汗をかかせたあと、私が用例を示すと、はあ!なるほど!目から鱗!みたいになるわけです。楽しいですねー。
実際には、頭で考えている間はなくて、敵の攻撃に瞬間的に反応して自動で体が動くまで練る必要があります。突きに対しては内受け! みたいなパターン反復練習ではなく、瞬時に変化に応じるトレーニングです。頭が固いと体も固まって動けません。
形は枠に嵌っているわけですが、その形を練ることで意識の枠は外れるというか、広がるというか、矛盾しているようですが、それが陰陽ってものですね。
こういう練習をする教室は少ないと思います。推手にしても形通りから次の段階に進めないみたいな。
順番を飛ばして、いきなりこんな練習は非推奨ですが、ウチでは順々にやっていっております。皆の衆も達人を目指せ! という気持ちではなくて、実は自分が達人に近づくための実験台気分が大きいのではありますが。
それでも皆さん、上手になってきてます。よその太極拳検定何段とかの推手自慢のおばちゃんなんかより、ウチのメンバーの方がちゃんとできてるんじゃないか、と思っておるのです。
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