D公園で初稽古。N先生と初推手です。
推手の日が一週間もあいてしまった!と嘆いておられましたが、そんなに推手ばっかりやっている人も、世の中には稀有だと思います。
年末にちょっとお手合わせした、新人ご夫婦も来ておられました。
奥様が空手歴3年ってことですが、太極拳にすごく興味を持たれたみたいです。
推手をレクチャーしました。
初めての人へ教えるときは、あんまり難しいことは言わないです。
風船になったつもりでポワンと膨らんで、フワッと立っててください、と言って手を合わせてユラユラすさぶります。そこから徐々に手を動かしたりして、四正推手に持ち込みます。
アレコレ指示してもできるはずがないので、100%私がリードします。なんとなくポン勁がでてきて、私とシンクロできれば、それで良し。太極推手の感覚を味わってもらえれば、なんとなくでも太極拳を理解できていくと思います。
この感覚がないまま、表演套路の練習を熱心にしている人が多いですが、それは太極拳にはならないので、お気の毒であります。
練習の終わりがけに、空手の奥様が、後ろ回し蹴りをうまくするには? との質問をされていました。
太極拳の人にそんな質問するかねーと思いつつ、私がお答えしました。
空手風の後ろ回し蹴りは、私は難なくできます。跳び後ろ回し蹴りも、ローリングソバットも高校生の頃から得意です。友達とそんな練習ばっかりやっとりましたから。
それも一応やって見せて、さらに擺脚や旋風脚の空中一回転バージョンも見せてみました。
で、私の答え。
「こういうのって、なんかコツを掴んだらできる、みたいな話ではなくて、地味に鍛錬して体を練っていけば、ジャンプしたり、回ろうとしなくても、体が勝手に浮いて回るようになります。回ることにあまり意味はないので、カンフーでは、蹴りで自分の手を叩いて、回転を止めます。修行あるのみです」
我ながら身も蓋もないグッドな回答でありました。
推手道場のメンバーWさんとは、現代日本人が太極拳を上手になるには、昔の支那人がステップ1から始めるところ、ステップマイナス1くらいから始めないといけないでしょう、という話をしました。
昔の支那の生活習慣から作られるカンフーの土台が、我々にはないのですから、土台を養うところから始めないと、いくら形を覚えたところで無意味、という話です。
「考え方を徐々に変えないといけないねー」との感想には、「いえ、体の鍛錬は一気に変えると無理が出て体を傷める恐れがあるので、徐々に変えていけばいいですけど、考え方は一気にパラダイムシフトを起こせばいいです」と答えました。
太極拳は、パラダイムシフトが楽しいのです。
太極拳歴の長い人には、ショックで倒れてしまいかねない人もいるような気もしますが、これから太極拳を始める人には、どんどんパラダイムシフトを味わってもらえたら、と思います。
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