陳式推手

色んな所で推手をして遊んでいる私ですが、私の主催するマンション自治会太極拳クラブでは、推手は陳式推手しかやりません。

推手は陳式基本功の相対練習の意味でやっております。二人で向かい合って、手を合わせて、基本功の練習、それが私のところでやっている推手です。

勝ち負けを楽しむ要素は全く入れておりません。今のところ。

崩れないように、ラリーが続くように、ポンリージーアンをちゃんとやります。順歩の四隅推手、進一退一、大捋推手もやります。

私自身は、以前から、勢いに乗って、なんとなく雑な大捋推手はできていましたが、教えるために研究し、練習し、最近はかなりキッチリカッチリできるようになってまいりました。

実は、クラブのメンバーにも最初の頃は、他の教室や公園でやってるような四正推手を教えていたのですが、今は完全に陳式に振っており、定歩の四正推手はやらなくなりました。

四正推手は、微妙な勁のやり取りの練習には良いと思うのですが、陳式のカッチリした形を作る練習には、あんまり合わないと思います。

自治会クラブでは、カッチリした形で、正しく動くことを優先しています。勁の話は後回し。形が正しければ、勁は自動的に発動します。

平均年齢70歳くらいの私のとこの生徒さん方(他教室と掛け持ちの人は除く)は、推手は陳式しか知りません。間合いは近く、足は交差し、歩きます。

他の推手愛好家たちと手合わせしたら、かなり戸惑うと思います。テクニカルな他流派の人を相手にしたら、おそらく3秒も立ってはおれまい。

ですので、公園デビューは勧めていません。他教室の人に対抗しようとカリキュラム以外のテクニックを覚えると、変な癖がついて上達が遅れるように思うのです。

純度の高い鍛錬で、レベルを上げていって、そろそろいいかな…というレベルに来たら、交流を勧めてみたいと思っております。

うちのメンバーの前に立ったら、誰も3秒と立っておれない…なんてなったら愉快です。無敵のおばあちゃん集団! なんて妄想しております。

私自身の体験から、陳式なら陳式に集中した方がいい、と思うのです。

今でこそかなり推手上手になったと自負しておりますが、相当に回り道をしております。あちらこちらで習ったことが、一致せず、ぶつかり合い邪魔しあい、何も身につきませんでした。

いろんな先生から、なんか一つに絞った方がいいよ、とアドバイスをもらいつつ、そのアドバイスをくれる先生の流派がみなバラバラという、頓珍漢なことになっておりました。

陳式の大捋推手なんて、最高峰の秘伝の練習方法だと思っておりました。

でも、今の認識は違います。

ちゃんと習って、研究して、順序良く練習していけば、大捋推手も、そんなたいそうなもんじゃありません。クラブの高齢の生徒さん方、全員ができるようにリードしていこうと企んでおります。

年寄りに無茶させたらあかん! と怒られそうですが、無茶しないで徐々にできるように、骨盤の動きをよくして、健康増進、転倒防止、老化防止に貢献したいと思っております。

そして、若い人にも、実用的武術として、太極拳愛好家が増えればいいなーと願っているのです。

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