纏絲勁の感覚

太極拳の特別な基本功を毎日毎日繰り返していたのと、正確な動作になるよう修正し続けてもらってきたのと、鉄砂袋をペタペタ叩き続けてきたのが功を奏してきたのか、このところ、纏絲勁を体感できるようになってきました。

纏絲勁が途切れたらダメ、という意味が理解できてきたといいますか。

これまで、言葉ではわかっていても、あんまり実感できてなかったのです。

それがわかってきました。

套路の形を動くとき、あらかじめ、空中に、手足が通るべき空気の隙間といいますか、鋳物の型枠のようなものが用意されていて、そこに吸い込まれるように、手足や肩腰がハマっていくような気分になるとき、足の裏から指先まで、ぐるりぐるりと、絲が纏うのを感じます。

纏絲と関係あるのかないのかわかりませんが、奥歯の上下が、ガチッと、噛み合うようになってきました。

ちょっと遊びのあるギアが、体の動きに合わせて、ガチリガチリと、動いているような感じです。

この、空気の隙間、型枠から、動作が外れたとき、纏絲勁が消えます。あ、はずれた、と思えます。

だいたいいつも同じところで外します。つまり、そこがまだ上手くできていないところでしょう。そして、先生に指摘、修正されるのも、同じところです。

上手くハマっていっている、と自分で感じられるところは、先生も、「OK!」と言ってくれます。もしくは何も言わないです。先生の感覚と、自分の感覚が、同調できてきたということでしょう。

我ながら、上達してきたなあーと思っております。20歳の頃に始めて、50歳になってようやく、このレベルまで這い上がってきたかあ、というかんじ。

随分スローな歩みだったなあ、というか、指導を受けていなかった、自己流の無駄な期間が長かったなあ、という無念さがありますね。

もっと、早い時期から、しっかり学んでくればよかったと思いますが、これも、なるべくして歩いてきた道、これできっと良かったのだと思うことにします。

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