太極腹

站樁功をしていると、やわらかいカタマリみたいなもの(混元)が、背中側から上ってきて前面に沿って下がっていく感じがある、と以前に書きました。

これが「気」の感覚かなあーと思ったりしたのですが、実はフィジカル(肉体的、物理的)なものでありました。

安田先生に習って気づいたのですけど。

実は骨が動いておったのです。

骨盤が、タテ回転に、しっぽを上げる方向に動き、背骨が波打ち、胸骨が引き込まれ、骨盤が元の向きに戻り…の繰り返しで、お腹が伸び縮みして、ジャガーやピューマが走っているような感じの胴体の動きになるのです。

そうか、骨の動きだったのかと、この度気づいたのですが、この感覚は半年ほど前から感じるようになっておりまして、胴体の動きが大きくなってきてました。

それに伴い、人からは「腹が出てきたねえ」とよく言われるようになりまして、「練習サボってビールばっかり飲んでるんちゃうか!?」みたいに揶揄されるのですが、練習はサボってないし、家ではワイン派です。

私は、この腹こそ、憧れの太極腹ではないかと思っているのです。

見た目はビール腹か妊婦に近づいてきますので、憧れるようなカッコいいものではありませんが、ブルンッと鋭く、太極エンジンの大排気量化みたいな感じがするのです。明らかに、鍛えられております。

腹を鍛えるといえば、ムキムキに6つに割れている腹筋をイメージされるかもしれませんが、丸く、ボンッ!と張っている感じです。ポヨンポヨンではありません。(妻はポヨンポヨンです)

推手で膠着状態になったり、押されて行き詰った時は、腹を動かしたろ、という気分になりますし、実際にそれで形勢を変えられます。

腹を動かすといっても、お腹に力を入れたり、腰をヘコヘコ動かすわけではなくて、スイッチは呼吸です。吸ったり吐いたりで腹が動きます。

N先生との推手は、最近どんどん間合いが近寄り、手はほとんど使わず、腹の探り合い(物理的)になってきております。

初めてお会いした香港の先生とも、これでうまいこと推手ができましたし、相当にレベルは上がってきているように自画自賛しておるのです。

なお、「太極腹」という言葉は、私がいま作ったものなので、正式な太極拳用語ではないです。

検索して出てくる巷のウェブサイトには、「太極拳でお腹が引き締まる!」などと書いてありますが、それは怠惰な生活をしていた人が、浅い修行を始めだしたころのお話ですね。

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