太極拳の重心感覚の変化

体重移動や重心についての認識、体感は、ここ数年でずいぶん変わってきました。

体重は足の裏のどのあたりに載るのがいいのでしょう? 真ん中より踵寄り。高い椅子に腰かける感じ。

これが、昔の認識の領域です。今でも初心者には、そう説明しています。

動きが加わっても、重心線が足の裏の端から端の間に収まるようにします。それが中定です。

重心線がど真ん中で、体重配分が左右均等とか、重心線が外にはみ出してしまったら、双重です。これはよろしくありません。

このあたりのレベルでは、体の中の重し、バランサーは丹田辺りにあります。

重しの移動は足裏感覚に繋がります。足裏がセンサーです。推手での相手の力加減も足裏で察知できます。

このレベルまで上がってこれる人は、太極拳愛好者100人のうち、5人くらいじゃないかなあ。

この領域を超えると、足裏は無意識になってきます。

だんだんと重心線、垂直線も意識しなくなりました。

タテの線を意識していると、水平の平面の動きばかり意識してしまいます。太極拳は四正ですから、タテヨコの意識が必要です。

しかし、タテの軸、ヨコの軸なんて考えていると、頭がこんがらがります。動きに追っつきません。

そのうち線は点になりました。

意識は、体のどこかにある重心点、回転軸に向けます。

点は、移動します。それを探りつつ動くようにすれば、引っかかりのない、とてもスムーズな動作になります。

点を中心に動くと、タテ回転、ヨコ回転が複合されます。

回転というと、グルグル回るイメージを持たれるかもしれませんけど、360度のうち、5度とか10度の変化であっても、それは回転といえましょう。

見た目は回っておらず、ユラッと揺れているだけかもしれません。しかし回転による復元力が働きます。小さい動きでも大きな効果を発揮します。

このエネルギーの源は、地球の引力や相手の力です。

それらのエネルギーを運動(勁)に転換させるのが、意です。意が動かす体のメカニズムが纏絲です。纏絲の中心は点です。

今の私は、このような段階の領域におります。

たぶんおそらく、ここからまだ変化があるはずです。この先の領域は、ぜんぜん見えておりませんし、イメージも沸いておりませんが、さらなる達人の領域があるはず!

まだまだ精進です。まだまだ達人に近づけます。

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