太極拳の足の動作について、股関節を中心として、足を振り上げたり振り回したりのイメージを持っている人が多いのでは?と思いました。
足を振る反対方向に体を倒して勢いをつける、パワフルな蹴り技の多い空手やキックに比べると、体はまっすぐなまま足を動かす太極拳は、そのように見えるかもしれません。
私もかつてはそのように見ていたように思います。
しかし、それだと使えぬ。
蹴りを当てても軽くてダメージがないし、足を接触させて崩すにも、柔道の大外刈りの出来損ないみたいになったりして、なんの効果も発揮しません。
足と体が勁でつながってないからです。
密着距離では、足を大きく振り回す余地がないので、遠心力頼みの技は使えないです。
股関節で分離しては、足は何も働きません。太腿の筋肉を鍛えても、有効に使えません。骨盤の動きや、お腹からの纏絲を総動員せねば。
その意識を持つと、套路に出てくる擺脚や里合腿も変わってきます。擦脚(分脚)や蹬脚も同じく。
その感じで足を使えると、相手の重心を捕まえて、相手に回転をかけることができます。
股関節から先だけを振り回しても、それはできません。太極拳の技にならないです。
そういう視点で見ても、制定拳には武術性がないよなあーと思うのです。
膝を伸ばして、爪先を頭の高さまでピーンと伸ばすのに、何の勁が働くのであろうか?
歩法も同じく、一歩一歩が相手に影響を与えるような勁が働かないと、太極拳の歩法とは言いがたいような。
そんなこんな検証している今日この頃です。
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