承認欲求をモチベーションにしない

YouTube番組の「車田和寿 音楽に寄せて」が面白くて、過去動画を遡って見ています。

私もなんちゃってピアニストなので、音楽にも興味はあるのですけど、太極拳に当てはめて聞くのが、すごく面白いのです。

車田先生の言っていることを、太極拳業界で言ったら、辛辣なことになりますね。

今回聞いたのは「自己顕示欲が強くなると音楽は輝かない」というお話でした。

そもそも音楽家には、承認欲求、自己顕示欲の強い人が多いものだけど、それが強すぎると、聞いても感動しない、そんな演奏が多い、作品そのものの素晴らしさを伝える気持ちが大切、というようなことを語られておられました。

太極拳業界にも当てはまる話だなあーと思ったのです。

カンフーをやっている俺はカッコいい、大会でメダル取って目立ちたい、初心者にエラソーに教えて凄い人だと思われたい、ウンチク垂れて物知りだと思われたい、YouTubeに出演して有名になりたい…そんな人たちって、承認欲求と自己顕示欲の強いんだなあーと思ったのであります。

まあ、私も多少は承認欲求があります。

あまり目立たないように、早朝や夜に練習することが多いですが、誰かギャラリーがいれば、なんとなく意識してしまって、ちょっとカッコよくやろうという気持ちになります。

表演大会にエントリーもしましたし。

でも、承認欲求というのとは、ちょっと違うかなあ。

大会は腕試しのつもりで出てみました。大阪で優勝したので、次は全国大会にチャレンジだ、という気持ちもあります。

しかし、金メダルを取ったところで、安田先生はたいして承認もしてくれません。そんなことより、60歳になるまでに、このレベルを目指しましょうってかんじで、太極拳の深淵にどんどん導いてくれています。私も金メダルより、そちらのほうが嬉しいです。

競技推手にも出るつもりですが、たぶん一勝もできないように思っております。最初から勝つつもりはなくて、力づくの競技推手に、どの程度、太極推手で対応できるか実験のつもりです。

初心者に教えることは増えましたが、頼まれるから教えるのであって、自分から、教えたろーなんてでしゃばることはありません。

全くの初心者には、順々に教えてあげますが、ある程度経験のある人には、パラダイムシフトを起こして自分で気づいてもらいたいと思っています。

秘伝に安田先生の相手役で載ったのは嬉しかったですが、名前を出されたいとは思いませんし、YouTubeにも出たくないです。表演大会の録画は、自分のFacebookと、このブログにだけ、記録的に載せています。

演奏者のキャラクターとか、テクニックとかより、作品そのものに感動するべし、と車田先生はお話されていました。

私も、太極拳そのものをもっと知りたいし、追及したいです。

中学2年生くらいの時はカンフースターになりたいと思っておりましたけど(中二病)、大学生くらいの時には、純粋な武術の追求に興味が移っておりました。

卒業後、太極拳は20年以上ひたすら、誰にも見せずに一人で練習しておりました。そのモチベーションは、承認欲求じゃなくて、純粋に武術への興味関心でありました。動機が承認欲求だったら、とーっくの昔に辞めてますわねえ。

現在、仲良くご一緒に太極拳を楽しめる人たちって、よく考えると、承認欲求のない人ばかりです。

公園太極拳の生徒さん方は、大会なんか何の興味もないオバサマ方ばかり。推手でお手合わせする人も、追及型の人ばかりです。

なんとなく合わない、距離を置いて、近づきたい気分になれない人って、よくよく考えると、承認欲求型、自己顕示欲型の人であるなあと気づきまして、なんか面白いです。

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