社交ダンサーの母に太極拳

低架式がマイブームですので、各種武器の練習も低く低くやってみました。

もともと低い動作が多い陳式の刀とか剣ですが、低くなれるところは、とことん低くやっていくと、どんどん腰回りの動きが良くなってきたように思います。

折り畳まれて、伸びあがり、裏返りになるという感覚が、すごくシャープになりました。可動域も3割増くらいになった気分になります。

ああ、地面が近い。

私の母が、社交ダンスで伸び悩んでいて、「ちょっと太極拳、教えてや」と頼まれました。

脚がピーンと高く上がらない、片足での安定感が悪い、仰け反ったら背中が痛くなる、といったお悩みを解決したいとのことなのですが、ピーンと高く上がらんでもええやん、片足で立つイメージを変えましょう、痛くなるのは捻じれてるから、とアドバイスしました。

日頃、母が受けているアドバイスを聞いてみたら、どうも素人っぽい指導が多いように思いました。

最近の母は、費用の掛かる、ちゃんとした指導員からは教わってなくて、ベテランの先輩から習うことが多いそうな。あーなるほど、指導風景が目に浮かぶわあ。

とりあえず、股関節の動きがよくないので、そこを鍛えるのが近道だと思いまして、母用のエクササイズを提案しました。

まずは、しゃがむ練習。踵をつけたまま、まっすぐしゃがもうとすると、さすが昭和の和式トイレ世代、わりとできるのですが、頭が前に行って、お尻を突き出すウンチングスタイルになります。

机や椅子につかまりながらでもいいので、体を立てたまましゃがんでいく練習をしてもらいました。

キツクなって、踵を上げたくなったら、無理せずに、低くなるのはそこまで。毎日やっているうちにだんだんできるようになるってことで。

もうひとつは、足を広げて、片足づつの屈伸運動みたいな形になります。雀地龍の形です。こけない様に何かにつかまりながらやってくださいな、地面にべったり手をついてもいいです、と課題を出しました。

体を立てられたらいいけど、難しいだろうから、うつむきがちでも良い、でもしゃがんでいる方の足の踵は上げないように。伸ばしている方の足は、爪先を上げたり下げたりしていたら良いです。

ヘソの向きを爪先側に向けるようにしたら、もっと良いけど、まあ、ボチボチと無理なく。

推手道場のR氏に出した宿題のレベルをずーっと落とした、お年寄り向けの内容であります。

今日では年寄りも、日常的にしゃがむという習慣が少なくなっており、それが骨盤の動きの悪さにつながっているように思います。昭和前半世代は、昔を思い出して、体を復活させればいいのだ。

この二つだけだと、全然太極拳っぽくないので、起勢だけ教えました。套路の最初の、ゆーっくり手を上げ下げするアレですが、体が仰け反って股関節が伸びきってしまうような形になるので、お猿さんやクマさんが、立ち上がって前足をそろえて、エサちょうだい、ってかんじでやってくださいな、と指示しました。細かいことはおいおいと。

私の教室でもやっていることばかりですが、生徒さん達より、母に会う機会は多いので、会うたびにレクチャーしていこう。生徒さん達を追い越したら面白いのですが。

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