推手道場で、これまであまりお手合わせしてこなかったオバサマAさんが、最近、積極的に私の方にこられるようになりました。
これまで、「偉い先生のお手を煩わせるのが申し訳ないと思って、気を使っていた」とのこと。
なーんや、それ。
私は別に偉くもないし、先生でもないし、お友達の厚かましいSオバサマと同じノリでくりゃええじゃないの、同じ道場の練習生同士、遠慮もクソもないもんだ、と思ったのであります。
「教えてください」との希望でしたが、思うところありまして、Aさんには、とりあえず教えないでおこうと決めました。
意地悪じゃありません。
ちゃんとお手合わせはしますが、言葉による説明はしないでおこうと決めたのです。
なぜならば、Aさんの質問は、あまりに表面的な浅っぺらいことばかりだからです。
その質問に言葉で答えたところで、薄ーい理解で、わかったつもり、できたつもりになって、さっぱり上達しないと思うのです。
ですので、お手合わせして、ひたすら、ダメダメを自覚してもらうことにしました。
立っておれないというほど、崩しっぱなしにしてあげてます。
どうしてこうなるの? どうやったらいいの? という質問には、自分で考えましょう、色々ためしましょう、と答えます。
もっと素早く動かないといけないのですね、やっぱり強くしないといけないのですね、と聞かれれば、じゃあ試してください、打ったり蹴ったりしてくれてもいいですよ、怪我させるようなことはしませんので、安心してどうぞ、と答えます。
大脳新皮質しか働いていない人には、小脳とか脊髄でひたすら太極拳の勁を感じてもらった方が良かろうと思うのです。
町内会のお役もできない人が、国政を語ってもしょうがなかろう、とりあえずグループラインのリーダーでもやって、みんなから叩かれてください、ってかんじ。
D’ont think, Feel !
3カ月くらいは、この調子でやるつもり。3か月もやってれば、何か気づくこともあるでしょう。
ははー、これが太極拳なんだ! という気づきがあれば良いのですが。
そこまで待てず、嫌気がさして、私のところにはこなくなるかもしれませんが、そのときはしょうがない、去る者は追わず。もうちょっと頑張りましょうよー等と引き留めるようなことはしないです。
屁理屈の言葉遊びで楽しくやりたいなら、その価値観も尊重します。私が関わることはないですが。
でも、めげずにとことんやるっていうなら、Sオバサマ同様、私も知恵を絞って、上達への道にリードしてあげる所存です。
ちなみにSさんは、大脳新皮質で受け取ることが苦手と見えて、理解がとっても遅いです。
しかし、感性が鋭いので、本人は「わかれへーん」と、わかってないつもりでも体が理解しています。こういう人の方が、私としてはやりやすいです。
テキストなんぞ作っておりますが、これ、意味あるのかな、自分自身の指導要綱程度にしかならんのじゃないか? という気もしてきております。
まあ、記録として100年後の人にありがたがってもらえればいいかなと。
実地の指導というのは、なかなか、順番通りなんてことにはならないですね。
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