能の世界を楽しむ 日本独自の伝統芸能

音楽・美術・芸術・映画

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「水都を寿ぐ 交響楽 能」という公演のチケットを頂きまして、NHKホールに見に行きました。

東京オリンピックに向けての、大阪からの企画の一つだそうです。

クラシックのオーケストラの演奏と、日本の伝統芸能である能との融合という試みでした。

目次

能の公演を初めて見ました

クラシックコンサートは以前にも聴きに行ったことはありますが、能の舞台の鑑賞は実は初めてです。

「京都から難波に物見でやってきた旅人が、道中、淀川を船に乗せてもらったら、「棹さす女」(女船頭?)が実は水の神様の化身であり、淀川の水の汚れを嘆いて消えてしまった。旅人がそれを鳥の親分に伝えたら、世界中から鳥がやってきて、みんなで川を綺麗にして、竜神が現れて大いによろこぶ」というストーリーでありました。

「モルダウ」や「美しき青きドナウ」といったおなじみのクラシック曲にはさまって、よおーっ、ポン!というお囃子とか、御座候調の語りが入るのです。

最近の私は、バレエの発表会とか、ベリーダンスとか、立て続けに見てきたもんで、能の動きや台詞回しって、すごく新鮮でした。

普通に喋ったら1分で済むような内容を、10分くらいかけて、よ~おっ、おおーっ、ポンとゆっくりゆっくり進めていくのですよね。

歩くスピードも非常にスローモーで、凛とした緊張感があります。そういえば、シン・ゴジラの動きって、能の動きを取り入れているとか。

私の子供は、ほとんど寝てましたが、私はこの年になると、いろいろ経験を積んでますので、面白くかんじられます。

バレエにしても、太極拳にしても、能にしても、美しい動きには共通点があるなあなどとかんじたり。

古い日本語の言い回しも、日本人なら知っておかねばなあ、なんて思ってしまいます。

意外と、セリフはよく聞き取れたんですが、おそらく初めての人向けにわかりやすい言い回しをしているのだろうと、これは一緒に行った私の母親が言っておりました。

途中、インターナショナルスクールの子どもたちが、各国の言語で話すという、笑える場面もあり、気楽に楽しめました。

能とは

能と浄瑠璃、歌舞伎、狂言の違いもよくわからない私ではあります。

自助努力でなんとかしなさいと、橋下徹市長の時に大阪市からの補助を打ち切られたのが、たしか浄瑠璃でしたっけ。

ベンベンという三味線をバックに人形が心中したりするのは浄瑠璃ですね。

調べてみたところ、歌舞伎、狂言、能の違いというか特徴はこんなものです。

歌舞伎

大衆演劇。派手な隈取などをした役者が大見得を切る。舞台装置が大がかり。最初は女の役者(出雲阿国)だったが、風紀を乱すということで江戸幕府に女性の出演は禁止された。

狂言

コミカルなセリフ劇。能と能の間で演じられる。昭和的にいえば、ストリップの間の漫才みたいなもんでしょうか?

能楽

能は庶民の娯楽ではなくて、武士の芸能でありました。舞台道具もなく、松の絵が書いてあるだけ。

BGMに三味線は使わず、笛と太鼓と、コーラスのみ。

主役を「シテ」と呼び、幽霊だとか化物だとかを、能面をつけて演じられます。

シリアスなのが能、コミカルなのが狂言、セットで能楽なのですね。

そして、能の節回しは、やっぱり解説がないと理解不能になるそうで、今回私の見た「交響楽 能」は易しいセリフにしていた入門編みたいです。

でも英語の意味はわからなくてもビートルズもボブ・デュランも楽しめますし、イタリア語がわからんでもオペラは楽しめます。昔の日本語が、わからなくっても、能は楽しめると思います。

能の入門

能は全国各地の能楽堂というところで鑑賞できます。能楽堂というのは、能の劇場です。
>>全国能楽公演スケジュール

 

最近は、初心者向けに、タブレットなどで字幕付きで鑑賞できる取り組みがあるそうで、能楽ファンを増やそうという動きが盛んのようです。端末を貸し出ししている能楽堂もあるようです。

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