自治会公園太極拳教室でのレッスンで、生徒さんから質問がありました。
推手道場でもご一緒のSさんからです。
このブログにもちょいちょい登場している、ドンくさくて物覚えが悪く、厚かましいけど、素直、と私が絶賛しているオバサマです。
私自身は、レッスン中に質問ってあまりしない方なのですけど、Sさん、途中でもどこでも、思いついた瞬間、質問を投げてきます。
その質問が、なかなか良いんです。
他所で受けるような、自分の知識を試そうとか、マウント取ったろうとか、凝り固まった思い込みを押し通そうとか、ねじ曲がった質問と違って、Sさんの疑問は実に素直。
一見バカっぽくても、本質に迫る、他の人が思いつかないようなことを聞いてきます。
私も、以前は疑問に思っていたけど、今となっては当たり前、説明することも忘れてた、というようなことです。
たとえば、基本功をやっている時、「途中で止めてもいいの? どこで止めるの? 真ん中? 端っこ?」
旋風脚で、反転するとき、「踵で回るん? 爪先? いっぺんに回るん?」というかんじ。
こういうところに疑問を持てるということが、ナイスですね。
最初の質問への回答。
「本来、止まるところは無いですが、形の確認のために止めてもいいです。どこで止めてもいいです。コマ送りみたいに、カクカク動いてみてください。上手になったら止まりません」
二番目の質問への回答。
「足の裏全部つけたまま回ると、膝が捻じれて良くないので、踵を軸に、爪先の向きを変えます。いっぺんに回れなければ、その場で八卦歩をするみたいに、小刻みに方向転換してもいいです。上手になって勢いがつくと、体が浮き上がってくるので、踵を上げて爪先で回ると良いです。もっと上手になれば、完全に浮いて軸足に荷重がかからなくなります」
質問がなければ、こういう説明はしないままでした。他の生徒さんも勉強になったことでありましょう。私も認識を新たにできました。
人に教えるというのは、達人への道の不可欠要素じゃなかろうかと思えます。
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