D公園で、聞かれたのです。
「同じ太極拳教室に通っている人に、私は体の中身が動いているのよ。あなたには、見てもわからないと思うけどっ。へへん。と自慢されたんですけど、どう思う?」と。
私も見ないとわかりませんし、見てもわからないかもしれないですけど、まあ、手合わせすればわかるかなあと思いつつ、どのくらい練習している人? と聞けば、週に二回ほど教室で練習する人、とのことでしたので、それは勘違いの妄想ですね、と答えときました。
体の中身が動いているのは、誰でも動いているので、嘘ではないです。心臓も肺も胃も腸も動いております。止まってたら死んでます。
その人はおそらく、太極拳的な混元のうねりが体の内側を駆け巡る、という意味で言っておられるのだと思います。
しかし、質問者と同じ程度のレベルの人が、ウンチク垂れ合っているのだとしたら、まず錯覚ですね。
いつでも屁を自由自在に出せると言うのなら、おおすごい、そりゃ本物だ、と思いますが、自分だけの感覚なんて、あったとしても人に言わんでしょう。
私も小さい気づきをブログに書き続けておりますが、錯覚だったことは多いです。錯覚の記録です。
多くの錯覚に混じって、だんだんと本物に成長していくものもありますが、成長してきたころには当たり前の感覚になっています。当たり前の感覚は人に伝えにくいです。言ってもわからんと思いますので、言いません。
妄想を成長させて本物だと信じ込んで他人に吹聴しだしたら、病気です。
中学二年生なら、いっときの思春期の恥ずかしい思い出ですみましょうが、大人が言ってるのはヤバいです。
太極拳の人には、そんな人がちょいちょいとおられます。空手とか少林寺拳法の人で、そんな人に会ったことはないですが、妄想の世界でフワフワしている人、太極拳には多いですねえ。
勁とか内功とか、わかりづらい感覚は確かにありますが、たくさん練習した果てに感じられるリアルなものでありまして、スピリチャルなお話とは次元が違うのであります。
そういえば、30数年前、私が初めて太極拳に触れた陳正雷老師の講習会で、基本功の練習の時、陳老師が、「目をつぶるな、妄想に陥るな!」と参加者に注意されていたのを思い出しました。
当時の私は少林寺拳法三段のリアリストでしたので、そんな感じは全くありませんでしたが、たしかにトランス状態みたいになっている人がいて、ビックリしたものです。
太極拳はリアルなものです。最近は私も、精神性とか宇宙と一体とか、そういうことも考えるようになってきましたが、モワモワした妄想の世界ではありません。
スパッとシャープな感覚でなければ、あんまり人には言わない方がいいと思います。
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