車の名義貸し

中古車屋さんの裏話

自動車を登録するのに、ローンが通らんとか車庫がないとかで、Aが買ったことにして、Bが使うという状況がありえます。

質の悪いいじめっ子AがパシリBに無理難題をふっかけるとか、破産した親戚に義理があって断れないとか、いろいろなシチュエーションがあるでしょうが、名義貸しはろくな事にはなりません。

トラブルのもとです。

目次

名義貸しを正当な手続きで

クルマ代の支払いの肩代わりをするなら、正直に、所有者をA、使用者をBにして登録すると良いです。

これなら使っている人の名前が車検証に明記されますので、事故や違反をした時の責任や、自動車税の支払いは使用者Bにかかってきます。

ローン会社の所有権留保と同じですね。BがAにボチボチ払うことになります。

ローンの肩代わりの場合、Aに信用があれば所有権留保しないかもしれませんが、あんまり信用がないと所有者欄がローン会社になるので、この手は使えません。

ローン会社も認めてくれないような気がします。

車庫証明は使用者Bの住所であげないといけませんので、車庫飛ばしの目的にも使えません。(軽自動車なら車庫の届けはあとからですので、できないこともないですが。)

名義貸しのリスク

所有者も使用者もAで、実際に乗り回すのがBというのは、AとBが、同居家族でもなければ非常にまずいです。

まず、刑法第157条にある公正証書原本不実記載等ということになりまして、ウソついて登録したということで罪に問われます。

そしてだいたいこういう場合は、Bは逃げて車も行方不明になるものです。車はたいてい第三者の手に渡っています。犯罪に使われる可能性があります。

 

財産の差し押さえも

犯罪まで行かなくても、事故や違反があれば、ナンバープレートから車検証の使用者Aに通知が来ます。

自動車税の催告も車検証の使用者Aに来ます。都道府県や市町村の税事務所からいってきます。無視しているとAの財産の差し押さえです。

財産の差し押さえは、給与の差し押さえが手っ取り早いので、職権で給与振込先から抜き取られます。

自動車税くらい押さえられても困らないかもしれませんが、勤務先にはバレます。銀行口座は会社に問い合わされるからです。

役所はサラ金よりえげつないです。

事故の時の使用者責任

自動車税をとりあえず払って、納税証明を発行できないように税事務所に頼んでおけば、車検が受けられなくなりますが、

どうせ、人の名義の車を乗り回すような無法な輩は、車検が切れようが保険がなかろうがお構いなしです。

駐車違反もし放題です。違反通知も使用者のところに来ます。

事故があった時も、使用者責任が免れないです。ひき逃げで車を放置された場合、まずは車の使用者に捜査がやってきます。賠償責任が発生するおそれがあります。

名義貸し解消の方法

自動車の登録抹消をする方法がありますが、ナンバープレートが必要です。プレート無しで抹消するには、盗難や紛失の届けが必要です。

ウソついて盗難届や紛失届を出すと、ウソつきの罪に問われます。正直に、友達が持ち逃げした、といった場合は、民事の問題なので警察は介入できません。

取り繕ってごまかそうとするより、多少怒られようと、正直に言っといたほうが、あとあといいかもしれません。

警察もこのところいい加減ですので、あんまり信用できませんけど。というか警察も内部の不祥事を取り繕うなってかんじです。(特に大阪府警)

民事の問題を解消するためには、法律の専門家である弁護士にお願いする方がいいです。

ことによると、自動車税を払い続ける以上の費用が一時にかかるかもしれませんが、今後、ひどい賠償問題が出てくることを思えば、安いものです。

できるだけ早く動きましょう。

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