虚実の割合は10:0 太極拳の弓歩

前回の空飛ぶ太極拳に関連しまして、虚実について。

安田先生に再会して、太極拳を最初っから学び直しだした時に、単鞭でも斜行でも、弓歩のときの左右の足にかける体重の配分の割合は、6:4でもなく、7:3でもなく、10:0だ!と教わったのです。

私はこれをずっと、比喩的表現だと思っておりました。

虚実を完全に分けるつもりで動きなさいよ、そのくらいのつもりでいれば、実際のところは7:3くらいになりますよ、という意味だと思ったのです。

教室では、そんなふうに説明されたこともありましたし。

しかし、ふと気づきました。自分の体感に気づいたのです。10:0になっとる!

両足の下に体重計を一つづつ置いたとしたら、方っぽは62kgで、もう方っぽは0kgを指していると思います。

確かに、虚実変換の途中では、重くなったり軽くなったり変動しているでしょうが、定式のところでは、ほぼ完全に虚実が分かれています。

実となっている足には、どっしり体重が載っているというより、地球に吸い付いている感じがします。というか、地球のほうが、丹田に吸い付いているような気さえします。足は地球と丹田の間にある、突っ張り棒です。

2本ある突っ張り棒のうち、どちらかに100%圧力がかかって、もう片方は、フリーです。

この吸い付き力を開放したら、体は、浮きます。

もはや、全然、筋力で体をコントロールしているという感じがなくて、体中に糸が張り巡らされていて、それがあっちこっちで引っ張り合って、体を動かしている感じですね。これが纏絲勁の感覚なんだろうと思います。

この感覚は、紙にボールペンで書き物をしているときにも感じます。

ボールペンをノートに押し付けてインクをなすりつけているのではなく、ノートとペン先が吸い付き合って、インクが移動している、という感じ。粘勁でしょうか。

いちおう、100均の安物ペンではなくて、パイロットの、まあまあ上等なボールペンを愛用しておりますが、こんな感覚が出てきたのは、ここ最近です。

もはや、何をしていても、太極拳に関連付けて意識が働いております。

25歳くらいから40代後半までの長年、太極拳の成長はほとんどありませんでしたが、ここ数年、とくにコロナで世間の経済活動が不振になってから、私は一気に上達しているような気がしております。

練習時間も確保できているし、先生にもじっくり学べているというのが、上達の主たる要因だと分析しております。

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