前の記事で、オーリングテストと鈎手(こうしゅ)について触れましたが、もうちょい考察してみます。
鈎手を作る感覚が、いつの間にか変わっていたことに気づきました。
以前は、意識して指先を揃えて、鈎手の形を作っていたように思うのです。
ですので、意識が薄れると、鈎手の指先が揃いません。「指先をピッタリと合わせて!」と、よく指導されていました。
しかし今、気づいてみると、鈎手は自然にできています。
たとえば単鞭で左手を広げていくとき、右手の指先が吸い寄せられていく感覚があります。斜行なら左手ですね。5本の指先が完全に合って、完全な鈎手が形作られます。
鈎手の形は流派によりマチマチなので、陳式太極拳老架式についての話ではありますが、鈎手が完全だと、体の他の部分、体全体の陰陽バランスが整う感じがします。
体全体の陰陽が整うことで、鈎手が整うのかもしれません。どっちが先ということもないでしょうから、因果関係ではなく、相関関係でしょう。
それらを繋いでいるのが纏絲です。
鈎手の意味が、なんとなくようやくわかってきたなあ。
推手での実用面はもちろんありますけど、そういう目先のわかりやすい話だけでなくて、もっと奥深い感覚があることに気づいたのでありました。
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