「足を開くときは、骨盤を開くのです。まあ、3年ほどやっていたら開いてくるようになります。」と、安田先生から再び習い出したときに言ってもらったのですが、なかなかわかりませんでした。
それがようやく最近、ちょっと骨盤が開く感覚を理解できてきたような気がします。実際には、まだ、そんなに開いてはいないと思うのですが。
骨盤とは、背骨の一番下の尾骶骨のあたりから、大腿骨の付け根まで広がっている大きな骨ですね。でっかい一つの骨ではなくて、左右1対の寛骨、仙骨、尾骨の組み合わせです。組み合わせなので、隙間があって、動きます。女性は出産のときに、開きます。
これを、意識的に開くことができるようになる、というわけです。
ホンマかいな、と思っていたのですが、たしかに安田先生を後ろから見ていると、腰が横に広がるように見えるし、ホンマですね。
足を開く時、膝をパカッと開けるようにしていると、これはわかりません。
膝を開くのではなくて、骨盤が横にスライドして、お股の広さが、広くなっていく、というかんじです。
開き戸じゃなくて、引き戸です。
よく言われるような、虚実を分けて、股関節を緩めると、虚の方の膝が、自然と外に向く、という話ではありません。もっと難しい話です。
これは、馬に乗る時の体の使い方だそうです。乗馬をする人ならわかるのかも??
私のもっている小型バイクでは、サドルの幅が狭いのでそこまで開かなくても乗れてしまうのですけど、ハーレーダビッドソンなら馬に近い? しらんけど。
この骨盤を開く動きができるようになると、一歩を大きく開けやすくなり、開いたところから、足を寄せやすくもなります。バランスを取りやすいのです。体重移動に無理がなくなってきて、よっこらしょ、というかんじじゃなくなります。
武術で足を運ぶのに、よっこらしょとやっていては致命的ですから、重要な技術です。
足を広く開くという課題は、歩幅をかえず、すぐに低く沈めるように、という意図で与えられました。套路の後半にある、単鞭から雀地龍に移るところで、無駄な動きをしないように。
この部分だけでなく、套路のすべての動作を、そのようにするということです。一番最初の準備式のところからです。
これもまたパラダイムシフト的ショックですね。太極拳は、本当に奥が深く、途方も無い世界です。
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