なぜ套路の最初が金剛搗碓なのか、ふと、悟りまして、はあーなるほど、昔の人は良く考えているなあーと感動したのです。
私は月に一度、整体院に通っております。母も一緒に行っております。
社交ダンスをしている母は、体が固く、歪なところをどうにかしたいと考えています。(同年代の大多数に比べると、よっぽど整って柔らかいのですが)
骨盤の動きが固いということで、整体の先生に、「骨盤が柔らかくなる運動ってありますかねえ」と聞いてました。
そしたら先生は「それは息子さんに聞いてみなはれ」と。
こちらの整体院には、私の公園教室の生徒さんも来られていて(私の紹介)、先生は太極拳の効能をよくご存じなのです。
母には以前に、太極拳の準備体操と、胴体を伸び縮みさせるエクササイズの意味で、「起勢」を教えたことがありますが、復習してみました。
準備体操はまっすぐしゃがむ練習と、片足を広げての股関節のストレッチです。これは毎日やっているそうで、まあまあ良い感じになってました。
「起勢」は、なんか意味が分からなかったようで、再度レクチャー。
息を吸って吐いて、胴体が膨らんで縮んで、手が浮いたり沈んだりするという感覚をわかってもらって、もうちょいバラエティを増やしてみようと、左右にも振りながらもやってみました。
上体は「起勢」と一緒で、体重を片足にかけて、体の向きも変えます。骨盤をしっかり動かします。左向き、右向き、と。
ちゃんと片足体重になるため、次は、体の向きを変えるついでに、一歩進んでみましょう。左足、右足と。骨盤から動いているイメージでどうぞ。
前進したので、右足を引いて下がって、もとの馬歩に。
…と何度もやってて、あれっ、これ金剛搗碓やんか! と閃いたのです。
太極拳の肝となる骨盤の動かし方を一番初めに端的に表現していたのが、金剛搗碓だったのですねえ。
武術的に考えるなら、サッと右足を引いた方が早い、でも套路はこうやる、という話を以前聞いたことがありますが、こういうことだったのか。
単なる武術ではない太極拳の秘密が、ちょっと見えた気がしました。
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