気と整体と太極拳

なんだか妻がシップ臭いなあと思ったら、腰がだるくてサロンパス張ってるというので、マッサージをしてあげました。

私自身は月に一回、整体に通っており、整体を受ける側のコツは心得ております。

少林寺拳法修業時代は、「整法」とよばれる整体整骨法も習っておりまして、合宿中とか、よく先輩の体を揉まされたものです。

後輩の方がしごかれてへばってるし、雑用も多く疲れてるのに、先輩が後輩を揉んであげたらいいやん! と今は思いますが、当時は4回生が神様で1回生は奴隷でありました。

でも、4回生に揉まされたことはないなあ。奴隷頭の2回生に、1回生奴隷が揉まされるという構図が多かったです。私は上手な方だったので、特に良く呼び出されたような気がします。

日頃はよく、母や祖母に整体をしてあげて喜ばれておりました。親孝行だ。

しかし、少林寺拳法の整体って、バキバキ、ポキポキという感じのが多くて、今思うと年寄り向けじゃなかったです。少林寺は、技にしても整体にしても、激しくて痛い。

私が毎月受けている整体の先生は、ソフトで気持ち良いです。バキバキされません。ギューッと押されることもないです。でも、なんか調子よくなります。

考えてみれば、骨接ぎじゃないのですから、骨折とか脱臼でもない、ちょっと不調という程度の人の、骨までアプローチすることもないですね。

骨を押したり引っ張ったりしても、まっすぐになったり柔らかくなったりするわけでもないし。

ぎゅうぎゅう押しても痛いばかりで、多少血行が良くなって気持ち良い感じがしても、その時だけです。

私には、任脈督脈などの専門知識もないし、ただ揺さぶるだけにしました。撫でで擦って揺さぶるだけ。でもこれで、凝っている筋肉がほぐれて柔らかくなります。

ピンポイントで、ツボを攻めて、神経叢を刺激して、リンパの流れをよくするなどはできません。

ですので、体全体の固さ柔らかさの偏りを整えようと、体のずーっと奥の細胞まで揺らぎを伝えるつもりで、優しく丁寧に、揺さぶってあげると、グーグー寝てしまいました。たぶんいい気持ちになったのだと思います。

揺らぎ効果もあるだろうし、私の掌から熱気も伝わるだろうし、気持ちも伝わると思います。こういいうのも「気」の片鱗といえるのではなかろうか。

先日、先輩おススメの気功動画を見てから、私の「気」に対する認識、概念のレベルは、ギュイーンと下がりました。

「気」なんて、どこにもここにもあるし、あれもこれも、なんでもかんでも「気」でんがな、みたいになっております。

これまで「気なんて、私が語れるようなものでない!」と思ってましたが、逆に「気なんて、語るほどのもんでもない」って気がしてきました。

そんな単純で浅っぺらいもんでもないとは思いますが。

そして、こういうかんじのアプローチ方法は、太極拳的だなあと思います。

あっちむけ、こっちむけ、バキバキ! ギャーッ!というのではなくて、やんわりそおろり触れて、気持ち良くなって、あっち向いたりこっち向いたりするのに合わせて、手技を施していく、というかんじ。

そういえば、地元の陳式太極拳教室の先生の本職が整体師ですが、こんなかんじです。太極拳と整体と気功は相性がいいのだと思います。

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