カンフーアクションと武道

高校生の頃、ある高校の少林寺拳法部の周年行事に招かれました。そこは当時、大会で常勝でありまして、少林寺拳法界ではちょっと知られた高校でした。

記念演武など色々見せて頂き、おおー、やはり凄いなあと見ておりました。

通常の演武のあと、お遊びのアトラクション的なノリで、カンフーアクションを団体で披露してくれました。通常の少林寺拳法ではやらない掃腿だとか、人を飛び越えたりだとか、ジャッキーチェンの映画みたいで面白かったのです。

しかし、ジャッキーチェンやら、リー・リンチェイやら見まくっていた私は、やはり、違うなあと感じておりました。

もちろん素人の高校生と、アクションスターでは全然違っていて当たり前ですけど、根本的に体の使い方が違うように思えたのです。

長年、その違いが、なんによるものか、わかりませんでした。

それが、30年の時を経て、ようやく違いがわかってきました。

勁ですね。

力の質が違うのです。

カンフーって、丹田を中心に、自然に浮き上がるような体を作りこんでいくんだなあと、この頃は思っています。これは走り込んだり、筋トレしたり、鉄芯を握って突きの練習をしても養われないものです。

少林寺拳法は、勁を練る、という訓練になっておりませんでしたね。私も、高校生、大学生の頃は、相当に走り込み、腕立て伏せやらスクワットやらをやり、叩いたり蹴ったり、突き蹴りの練習をし、ぴょーんくるくると受け身の練習も散々してまいりましたが、いわゆる拙力を増強するトレーニングの域をでておりませんでした。

その頃より、体力は落ちているはずですが、勁を練る訓練を重ねてきた50歳の今のほうが、体は整っており、シャープに動けます。

どっちがいい悪い、という話でもないですが、老いても持続する勁を養うコースを選んでよかったなあという気はしています。

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