推手道場で、日頃あまりお手合わせしていない女性Sさんと推手をしたのです。道場主から、相手したって!といわれたもので。
3年ほど前は、道場生って5人くらいしかいませんでしたが、今は20人近くになり、自然とグループ分けみたいなのができてます。そんな厳密なクラス分けじゃないですが、なんとなく。
日頃あまり手合わせしていないSさんは、太極拳歴はしらないですが、推手歴は浅いです。
四正推手を回すイメージにとらわれて、左脳で考えながらやっている感じで、自分の手を注視して、体はねじれ、カタカタしてました。
四正推手って、つい「回す」と表現してしまいますが、回っているように見えても実際のところ回しているわけではないし、言葉のイメージに引きずられるのも良くないなあと、最近ちょっと思っております。
互い違いの力が働くので、たしかに回す要素はありますけど、時計回りとか反時計回りの回転!と思い込むと、変になりますね。
Sさんは高齢とまではいわなくても、まあまあ中齢ってかんじの女性でして、求めているところも違うだろうし、ゼロ以下からストイックに!という課題は出せませんが、ちょっとパラダイムシフトを味わってもらおうと思って、新たな練習方法を思いつきました。
四正推手は中断して、顔の前で「いーとーまきまき」みたいに、両掌をヒラヒラさせて、互い違いにタテ回転してもらいました。
ボクシングのパンチングボールを両手交互に打っているのに、似たような動作です。
それを二人が向かい合って、手の甲を打ち合うのです。右手と右手、左手と左手を、軽くピチピチとリズミカルに合わせます。
これだと横方向の動きがないので、体を捻じることはなくなります。顔を守っているイメージもできてきます。
しばらくこのエクササイズを繰り返した後で、お互いの手が離れないように、粘っこくやってみましょう、とやれば、ちゃんとした四正推手になるのですね、これがまた。
しばらくやっていると、また元通りに捻じり出されるのですが、このエクササイズをチョイチョイ混ぜていけば、推手のイメージが変わっていくのではないかと、期待してます。
皆さんレベルも経験も求めているものも、まちまちですが、あの手この手で、みんな上手になっていけば楽しいと思います。
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