上達する人しない人

推手道場に一緒に入ってきた、デコボココンビ、TさんSというオバサマふたりがおられます。ふたりとも簡化24式太極拳をやっていたみたいですが、推手にも興味を持たれたのですね。

入られて2年くらいたったような気がしますが、TさんとSさんの実力差が、かなり大きくなりました。

小さい方のTさんは積極的で、私にも「なあなあ、教えてやあ」とよく絡んでこられます。ドンくさく物覚えは悪いですが、わりと素直。

私がN先生に飛ばされたり、R氏をひっくり返しているのを見ても、「そんな風にできたら楽しいやろうねえ!」と喜んでます。

最近は、私主催の自治会青空教室にも来られるようになり、陳式太極拳を始められました。

陳式って難しんやろ、でけへんわあ~とかいいつつ、これまで学んだであろう24式に執着することもなく、ちゃんとついてきてるんで、メキメキとまではいきませんが、ジワジワと上達されています。

一方、大きい方のSさんは、上品なインテリっぽいです。

私を怖い乱暴者と思っているのか、あまり近寄ってこられませんが、他の道場生や先生からそそのかされて、私とお手合わせするようになりました。

お手合わせすると、質問してこられるのです。

例えば「体にバネがないと言われるんです。どうしたらいいでしょう?」

はて、体にバネに当たる部分があったかな? バネ指で困ってた人やったら知ってるけど…と思いつつ、「バネというか、体はグルグルと巻いた輪ゴムでできていて、こっちを引っ張ったら、あっちも動く、ってかんじですかねえ…」などと説明しだしたら、足裏はどうとか、太極拳用語の発音がわからないとか、総合太極拳ってどう?とか、私の答えかけている端から、次々と質問をかぶせてくるのです。

質問しといて、その回答を聞く前に次の質問をしてくるって、聞く気ある? 何のために質問してるの?ってかんじ。

太極拳で大事なことって? という質問に一言、「素直さです」と答えときました。

Sさんは典型的な例ですが、質問しといて、自分の期待と違う回答は拒絶するっていう人、まあまあおられるのかも。そういう人にパラダイムシフトは起こりませんし、ブレイクスルーもないです。

「お庭を一面のヒマワリ畑にしたい、どうしたらいいですか?」という質問に、「ヒマワリの種を撒きなさい」と答えたら、「でもチューリップ植えてるしぃ~、却下。」みたいなかんじ?

「ほんだら、そのままチューリップ畑にしときなさいよ」「でもヒマワリ畑にしたいんです~、ちゃんと教えて!」みたいな?

しかし、「チューリップを引っこ抜いて、ヒマワリの種を植えなさい」という回答は受け入れがたいのでありましょう。

せっかく育てたチューリップを引っこ抜いてでも! という覚悟がない人には、教えることができませんね。

まあ、チューリップとヒマワリなら、畑の半分づつで育てたら? みたいな提案もできましょうが、太極拳の場合、これまで学んできた変な常識にとらわれて、それを捨てられない限り、本当の太極拳を習得することはできないように、この頃は思っております。

というわけで、Tさんの場合は、心を入れ替えて素直になれない限り、私ではちょっと無理、ってかんじがします。

(TさんとかSさんとかMさんとかの仮名は、その都度思い付きで書いておりますので、過去記事と整合性はとれておりません。ご容赦ください)

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