車田和寿先生のYouTube番組「音楽によせて」のアーカイブ動画をちょこちょこ観ております。
「クラシック音楽は独学では無理」というお話がありました。これも太極拳と同じだなーと思ったのです。
型や枠にはまらないロックやジャズならば、独学で大成した人も多いけれども、クラシック音楽というものは、発祥した地域や時代の文化、技術が綿々と受け継がれてきたものであって、そういうエッセンスは先人から学ばないと無理、楽譜通りに演奏できたところで、それはクラシック音楽とは言えないのだ、ということだったのであります。
太極拳にも、そのまんまあてはまるお話です。太極拳に限らず、伝統武術全般に言えることでしょうけど。
先人の技術を受け継がず、個人の才能や努力だけで大成できる格闘技術って、あるにはあるでしょうけど、たぶんその人一代限り、よくて二代目くらいまで、って気がします。
創始者のやってたことが、二代目、三代目で全然変わってしまってたりして、ナントカ空手とかいう看板は上がっていても、実際はナニナニ先生の門派みたいことになっていたりして、中身は、いろんな格闘技のハイブリッドだったり、それを進化と呼べば聞こえはいいですけれども、伝統とは言い難く、クラシックではないな、と感じます。
あえていえばジャズですかねー? スイングとかビバップとかモードとかフリーとかファンクとかコンテンポラリーとかフュージョンとか、どんどん変わって混沌として、常に最新鋭、伝統を感じさせない音楽。現代的な競技格闘技って、ジャズっぽくて、自由な感じです。
それはそれでよいと思うし、私もジャズは好きですけど、私が日々取り組んでいるのはクラシック的伝統武術であります。
クラシックをジャズっぽく演奏したりは、しないです。
その方が世間的には受けるかもしれないし、やってみたい人もいるでしょうけど、私はクラシック音楽そのものの深いところに触れたいと思うし、先人の到達した伝統武術の頂点を知りたいと思っておりますのです。
先日、いろいろな武術や格闘技に触れさせていただきましたが、ものの見方、考え方の角度を広げておこう、いろんな感覚を知っておこうという気持ちでありまして、太極拳に何か取り入れるとか、付け足そうという気持ちはゼロです。ローキックもアキレス腱固めもしません。
敵のローキックやアキレス腱固めに対応できるようにはなっておきたいですけど、太極拳の型や枠の中で考えていきたいと思っております。
ところで、表演のBGMにクラシックって、合うかなあ?
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