最近太極推手を始められた友人Y氏に誘われて(私の周りはY氏Yさんがやけに多いなあ)、ある武術団体の体験会に参加したのです。
よくわからない団体でしたが、名称に「太極」とついてるし、なにかしら勉強にはなるだろうって気持ち。
会場は自前の施設で、おびただしい武器や道具が整然と揃っており、団体の旗が掲げられていて、すごくちゃんとしてます。
練習場は、日頃お世話になっている推手道場と同じくらいで、さほど広くはないですが、30人近くおられましたかね? 30~50代が多いかんじで、女性も多く、なかなかに盛況でした。
なんと、顔見知りの倫理法人会の会員さんも参加。あらっ、こんなところで!
(合気柔術の体験講座でも、倫理の会員さんが来てたなあ。倫理には好奇心旺盛な人が多いです)
私は、武術で経営を成り立たせるのは、とっても難しいと思っているのですが、こちらの団体は毎日一日中、お稽古や色々と多岐にわたる講座などで、うまく運営できているようです。
講師は創始者らしいのですが、運営責任者は他にいて、組織活動になっているようす。
講師紹介では肩書が20個くらい読み上げられ、すげー人だ!と思いましたが、大阪弁コテコテの、ダジャレ大好きの、気さくな先生でした。私と同年代の先生です。
小さい頃より苦労して、武術を学び、ひとりで始めたのがだんだん大きくなり、今はヨーロッパやアジアの国々でも活躍されているそうです。
ヨーロッパでは、武術、武道の人は、とっても尊敬されるそうで、学びに来る人も成功者のリッチマンばかりだそうです。そういえば陳氏の老師たちのヨーロッパでの講習費は超高額だと聞いたなあ。
講師のL先生はいろんな武術を学ばれてきたそうで、今回の講座は、太極拳のレッスンではなくて、武術とは何ぞや、との講義、体験でありました。
武術とは何ぞや、これは私が自治会教室で話している内容と基本的には同じで、同意共感できるものでした。このブログでも何度か書いてきましたので、割愛。
そして、人間にはもともと自分を守る能力が備わっていて、下手に技術を学ぶと、かえって邪魔になる、本来の能力を引き出すことが大切だとのことで、その体験がなかなか面白かったです。
お稽古も、そういったことを大切にされているみたいです。
この点、私がこれまで修行してきたこととは違うかな?
私は、伝統の技術を、とことんインストールし、後天の能力を先天の能力と融合させることを理想とし、鍛錬してきました。
でもまあ、太極拳の技術って、人間本来の能力を引き出すものでもあるので、考えようによっては、同じかも。うむ。そうに違いない。
体験会なので、参加されている人は武術未経験の人が多かったみたいです。
そういった人々に、武術についての根本的な概念、思想を伝え、体感してもらうって、すごくいい方法だなあと思いました。
私の場合は、実際に武術を習って稽古して長年やっているうちに、だんだんと思想や概念を理解してきたかんじです。少林寺拳法開祖宗道臣先生からの教えの影響が大きかったかな。
スポーツ格闘技から入って、ずーっとその世界の中にいる人だと、一生わからないかもしれません。そして、そんな人も多いと思います。試合に勝って、強いつもりになっても、有事の際はダメダメとか。
武術は、いつ何時何が起こっても生き延びていく術です。
昔々の伝統武術の世界であれば、生まれたときから武術環境で育ち、自然と養われる感覚でしょう。
でも今の日本の世の中で、そんな世界って、あんまりないですね。家元の子女とか、親父がマニアとか、稀な環境です。
そんな日本社会ですから、一般の人に武術を広めるには、いきなり〇〇式〇〇拳に入門じゃなくて、こんなアプローチがいいのかもしれません。
そこからだんだんと興味を持てる伝統武術を選択していくとか。
体験会のあと、オンライン講座、団員になってお稽古を続けるコース、インストラクター養成コースなど、紹介されました。
それは私にはいらんかなあと思って、何も申し込みませんでしたけど、なかなか勉強にはなりました。特に普及とか、伝承の観点で。
アンケートでは、初心者っぽく振舞って、そんなことは書きませんでしたけど、参加させてもらってよかったです。
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