悪癖を改善させる指導法

異流派推手交流会でのお手合わせでは、色々と新たな気づきがあり、その気づきは、私の主催する青空教室にて、フィードバックされます。

教えることで私の頭は整理され、生徒さん方も刺激を受けて、より太極拳が面白くなっているはず。

今回は、四隅推手で新たな試みをしてみました。

教室で推手をやっていると、後ろの手がしゃしゃり出てきて、体が捻じれるという人が、どうも経験者に多いので、前の方の、片手だけでやってみました。

四正推手ならお互いに右手が前の手になりますが、四隅推手だと、私が右手なら、あなたは左手、というかんじになります。

相手の前の手の肱を、擦り上げて、肘で挟み込むように取りに行きます。

仕掛けられた方は、取られないようにつるっと逃げて、同じように取り返しに行きます。これを体重移動もしながら、ツルツル、ヌマヌマと繰り返します。

関節の取り合いになったときに自然にそうなったので、これは面白い、練習に取り入れようと思ったのです。

後ろの手は使いませんので、胴体を捻じる悪い癖が出てきません。正しい形に近づきます。

人の悪い癖を注意したら、癖は、より強化される傾向があると、私は感じておりまして、指導の仕方を色々と工夫しております。

膝が前に出るとか、グラグラするとか、うつむき、仰け反りになるとか、手に力を入れて先に動かすとか、太極拳初心者にありがちな、お決まりの悪癖は色々ありますが、そのものズバリ注意をしても、改善されることは、まあ、ないのです。

改善のためには、悪いところに意識を向けさせるのではなく、ぜんぜん違う方に意識を持って行かせて、イメージを上書きさせ、新たな体の使い方を嵌めこんでいくのが良かろうと思っております。

意識を持っていくべき違う方向とはどこなのか、それはその生徒さんの状況や状態によって違いますので、それを見極め、適切に誘導するというのが、指導者の力量ではなかろうかと思います。

振り返れば、私もそのように指導されてきました。しかも、第一段階、第二段階、段三段階…と、時期によっても、指導内容が変わり続けてきました。

そういうのって、十羽一絡げの集団指導では無理がありますね。やはり個人指導が一番よいですが、同時に見るなら、7,8人が限界のような気がします。それより多くなってくると、全員と手を合わせて教えるなんてできませんし。

これは太極拳に限ったことでもなくて、学習とか教育とか、全般に言えることではないですかねえ。

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