体練套路

ちょっと前、といっても安田先生に再会する前なので、もう7,8年前くらいになるとおもいますが、来日された陳式の先生による、二人が組になって行う対人の套路の講習を受けた事があるのです。

相手がこう打ってきたらこうよける、こう蹴ってきたらこうする、みたいな型演武です。

対練といっていたかな? 対人套路だったか? 一人でやる套路にしても「対人」を想定していることには変わりませんから、ここでは少林寺拳法での呼び方(組演武)に倣いまして「組套路」とでも呼ぶことにします。

「表演推手」という言い方もありますけど、この組套路を人に見せるのが表演推手、という認識で良いかと思います。

さて、その組套路、講習で習った後日、教室でちょこっと復習した程度で、それ以来ぜんぜんやってません。私も、あんまり練習する気になれず、練習相手もなかったし、すっかり忘れました。

その後、安田先生から陳氏太極拳を習うようになりましたが、今後練習していくと言われた全体カリキュラムの中に、これは入っておりませんでした。この言葉自体聞いたことがありません。5種の陳式推手はあるよ、とは聞きましたが。

ということで記憶の片端から消えかけていたのですけど、不意に思い出したのは、先日D公園に来られた方が、表演推手のチャンピオンの相方を長年務めていたという話を聞いたからです。

それは後から人づてに聞いたのですけど、その方、推手に自信満々で、来日した偉い先生にも倒されなかったとか、私を思い切り握っても、あなたの方が崩れますよとか、豪語していたんですが、実際にお手合わせしてみると、屁みたいなもんで、え、何してるん? って感じだったのです。

こわばっているし、ねじれているし、傾いているし、踏ん張っているし、浮いているし、自分勝手だし、反応悪いし、N先生に「何点つける? 5点満点で」と聞かれて、「0点」というのも気の毒なので、真ん中を取って「2.5点」と評価したのですが、よく考えたら5点満点の真ん中は3点だったな、と反省したほどです。

相方をしていたチャンピオンも気の毒に、と思いましたが、チャンピオンもこのレベルなのか? と思ったりして、大会の表演推手もたいしたことないんやろーなーとか、勝手に思い込んで、反省します。

さて、この方には、高い鼻を折られて心機一転学び直してくれても、なんだかんだ言い訳してこれまでのメンツに執着してくれても、私には関係ないのでどうでもいいですが、組套路について考えてみました。

やる意味、あるかなあ~と。

一人での套路がちゃんとできて、自由自在に推手ができる、勁がわかっている二人が、デモンストレーションのために、わかりやすいサンプル動作を繋げたものを表演するなら、意味があると思います。太極拳って、本当はこんな風になってるんやーという驚きと感動を見る者に与えると思います。

しかしながら、推手もわかっていない二人が組んで、太極拳のような動作を組み合わせてチョコマカ動く練習をして、何の意味がある? と思うのです。

実際に表演大会で見たことはありますが、バレエの方が面白いですね。

先日、自治会教室で、用法を考えてみようという実験をしてみました。もちろんいきなりはできませんが、何してくるかわからん相手に、近い間合いで臨機応変に対応するのが太極拳の戦術なのだというイメージは掴んでもらえたと思います。

そういうのなしに、表演推手の練習をしたところで、太極拳はわかるまい。

というか、下手になると思います。

まあ、同じことが表演競技や競技推手にも言えるかもしれないのですが…。

また太極拳人口の過半数を敵に回すような発言をしてしまった。正体不明の匿名ブログならでは書けることですね。

追記

以前に対練について書いておりました。(忘れていましたが、検索してたら自分の記事が見つかりました。笑)

>>太極拳に対練があると初めて知りました

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