太極拳に対練があると初めて知りました

太極拳

陳式太極拳の対練套路を学びました。

対練というのは、二人一組で練習するもので、套路とは型のことです。

太極拳の練習は、一人でやる套路と、二人で自由に崩し合ったりする推手の2つしかないと思っていたんですけど、二人でやる型があったのですね。

知らんかったです。20年以上もやっていながら。(愕然)

 

考えてみると、私が16歳から学んでいた日本の少林寺拳法では、練習の7割くらいは、この対練でして、ひとりで行う型は、0.5割くらいでした。

のこり1.5割が、基本稽古で、1割が乱捕りかな?

少林寺拳法では、この、二人一組で決まった技の練習を行う相対練習こそ、まさに日頃のほとんどの練習でした。(大学のクラブでは、技と何の関係もないマラソンとかサーキットトレーニングが練習時間の半分くらいを占めておりましたが、そんなもんは除外してます。)

少林寺拳法の乱捕りは、推手になるんでしょうかね? パンチだけキックだけ、関節技だけというような限定の乱捕りをやっていたので、それが太極拳の推手に当てはまるんじゃないかと思います。

少林寺拳法の練習に馴染んでいた私が、はじめて太極拳を学んだ時の違和感は、この対練がなかったからだと、今になって理解できました。

太極拳の対練の役割

ひとり套路の練習だけでは、動きの意味、用法がわかりません。推手は、相手の勁力を感じて受け流したり、自分の勁力を出していく練習になりますが、套路の用法がそのまま出てくるわけじゃありません。

套路と推手の練習だけでは、謎の部分が多いです。太極拳って。

推手の練習の際に、あるていど、技の意味を教えてもらったり、用法の説明がある本を読んだりして、部分的には知っているのですけど、こうきたらこうするという反復練習、反射神経に染み込ませるような練習はしてなかったです。

対練は、まさにその部分ですね。

講師は、中国から、大会の審査員としてこられた、仝保民老師でした。

教えていただいたのは、第1段の部分で、前後の礼を入れても、1分もかからないような短い套路です。

AさんとBさんがおりまして、いきなりAさんの指先で喉をついていく攻撃からはじまって、Bが受け流して、手のひらで反撃、それを受け流してパンチで攻撃(A)、後ろに下りつつ受け流して再度掌で反撃(B)、足を上げて受け流し2歩前進しながらパンチ攻撃(A)、2歩後退しながらパンチの腕を引き込み押し返す(B)というものでありました。

文字で説明してもわかんないと思いますけど。

2時間の講習では、この順番を覚えるだけで精一杯で、太極拳らしい勁のやりとりを感じられるほどのレベルには至りませんでしたけど、攻撃するときの狙い方や鉤手の使い方、攻め込まれた時の歩法など、あ、なるほど。と感じられて大変勉強になりましたです。

第2段以降も、いろいろあるのでしょう。ユーチューブで探してみると、ぴょんと飛び上がってキックしたり、しゃがみこんだり、激しいことになっていくようです。

教室で、対練を取り入れていくことになるかどうか、わかりませんが、ぜひ、続けて学びたいですね。

 

ただ、この練習をメインにすると、ひとつの攻撃にひとつの反撃という、反射神経がワンパターンに陥ってしまう恐れがあるような気はします。

また、攻撃される前に受けが予測で動いてしまうと、形だけの練習になってしまって臨機応変に動けなくなります。これは、少林寺拳法の練習でも感じていた弊害です。

勁のやりとりなしに勝手に動いているのは、太極拳じゃなくなります。太極拳は、捨己従人でなければ。

ですんで、套路と、推手、それからたまに対練、という組み合わせが良いのではないかなあと、素人ながら思ったのでありました。

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