未使用車のメリットとデメリット

中古車屋さんの裏話

消費税の増税後、軽自動車の売れ行きが好調だったのは、増税前の受注分が遅れて登録されたのと、未使用車の登録が加算されたハッタリの数字ではないかと、本日の日経新聞に書いてありました。

さも、ありなん。

未使用車というのは、客もいないのにディーラーの名義で登録するクルマです。

メーカーにたいして、何台売りますというディーラーの目標の数字があり、達成すると奨励金がもらえるもんですから、無理してでも登録するのです。

いわゆる新古車が発生し、自社の中古車店で売ったり、台数が多いと業販したりオークションにだしたりします。

自社で売っているぶんには、新車とならべて、ちょっとお買い得感を出せば、ユーザーはどっちにしようかなーと選んで、新古車にない色や装備がほしい人は新車を買うでしょうし、これでいい!というひとは新古車の方を買うでしょうし、まだ許容範囲だと思うんですが、オークションに出てしまえば、市場原理が素早く働いて、流通数に応じて一気に相場が下がります。

新車と並べていた新古車も売れ残ると、どんどん古くなり、有り難みが減りますから、値下げをしないといけません。

すると、新車価格が非常に高いものに思えてくるようになり、新車を売らないと成績にならない新車の営業サイドは苦し紛れに値引きをしなければならなくなります。

社内で新車部門と中古車部門が険悪になります。価格破壊です。

ユーザーからすれば、どんどん安くなって結構なことですし、中古車屋にとっては、どっちに転ぼうと売れりゃいいので気にすることもないんですが、自動車製造業界的には自分で自分の首を絞めているようなものですね。

台数で奨励金という仕組みが、いけませんわ。架空売上を誘発します。

メーカーとディーラー間の取り決めを見なおさないといけませんね。
話は変わりますが、実は私の所属していた会社、業販で1台売れば販売員に奨励金500円という制度が導入されたことがあります。

するとそれまで低迷していた私の給料は急上昇。

一台あたりの利益を考えず、なんでもかんでもオークションで売りさばいていったからです。

長期在庫をマイナスで売る勇気のない販売員が多かったんですが、もともと給料の低かった私は、これ幸いとばかりに、長在ばっかり売ってました。

1人50台のノルマもやすやすクリア。

私はホクホクでしたが、所長はたまらん気持ちであったことでしょう。

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