中古車の業販卸売価格が安いとは限らない

中古車屋さんの裏話

業販価格は、小売価格より安いのか? というお尋ねに答えますと、まあ、基本的にはそうです。

理屈では、小売業者が業販価格で仕入れて、コストと利益を上乗せして販売するわけですから。

しかし、小売展示車を、安く業販価格で買うことができるのかといえば、そうとも限りません。

小売展示車には、すでにコストが掛かっております。輸送費や、メンテナンス費用、管理費用など。

仕入れが極端に安ければ、展示価格から少々安く業販しても、採算はとれるでしょうが、業販価格の相場と、小売価格の相場の差が少なくなってきた昨今、展示価格が仕入れ価格より低いということは、十分ありえます。

売り時を逃して、在庫期間が長くなり、相場が下がっていたりすると、そうなります。

小売の場合は、車両本体ではマイナスでも、登録手数料やメンテで利益を出そうという作戦になりますが、業販だと、そういう付属の利益がありません。ヘタしたら赤字。

業販すると車両本体以外で利益が出ませんから、赤字放出でなけれれば展示価格より高い原価での販売になります。

ディーラーの業販店での値段も複雑な事情があります。

正規ディーラーの業販店なら、素性の良い、無事故良品の下取り車が、格安で並んでいるなどという、お馬鹿な妄想を持っているブローカーがいましたが、そんなわけない。

新車で買った客だって事故はするし、買取もあります。

下取り査定にしても、ディーラー査定は低いという都市伝説がありますが、そうとも限りません。新車のシェアを守るため、市場相場を無視した高額査定をつけている車もあります。

メーカーから下取り補填が出る車種さえあります。

新車を売らんがために、やたら高い査定で入ってきた粗悪車は業販課に押し付けられるんですよねー。

そのままの値段だと、それで仕入れて、なんぼで売るねん! と業者に呆れられてしまいますので、抱き合わせで損を薄めて販売します。

もしくはオークションでたたき売り。

個別の業者に安値で売ると、癒着や不正があるのではないかと疑われかねませんが、オークションの落札値なら公明正大ですから、しがないサラリーマンの販売員は安心して損を出せるんです。

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