中古車 業販って必要?

中古車屋さんの裏話

中古車業販をしていた時、自分の仕事に疑問を持ったことがありました。

特に、仕入れと販売の両方していた時です。

地方を回って、仕入れしたその場で、電話で売ってしまうんです。

これはたしかに面白い。クルマを見て回って、電話しているだけで、どんどん儲かるわけですから。

しかし、買った業者がお客の注文で探してた! となれば気分もいいんですが、オークションで転売して儲かった、とか言われると、複雑な気分。

私自身も、電話で売れなかったクルマは、オークションに出して、儲かったり損したりもしてました。

そんなことを繰り返していると、中古車の流通の中での自分の位置ってなんだろなと思うわけです。

別に、いなくったっていいんじゃないかと。中間搾取してるだけだなあーなんて。

もちろん会社からみれば必要な仕事です。会社の使命は新車を売ることでして、中古車部は、それを補い、相乗効果をだすものであり、業販課は、売れないクルマを捌く部署であるとともに、新車中古車の小売部門で不足している利益を、てっとりばやく補うものであったのです。

逆に考えれば、新車や中古車、サービス部で利益が上がっていれば、仕入れて売るようなリスクを取ることもない。

実際、中古車の流通はオークションが中心となっていき、地方をめぐれば安く仕入れができるという時代は、終わっていきます。

仕入れたクルマが不良在庫になって、損を出すことも多くなりました。

儲からない業販は必要ない、という雰囲気になり、やがて、業販課はただの、直販不適合車を捌くだけの部署に縮小されてしまいました。

今から思えば、私の仕事は、中古車を、日本中に循環させていた役割を担っていたと思います。

しかし、時代は流れ、買取専門店とオークションが業販の中心となっていきました。その時その時代で、必要な職業は変わっていくものですねえ。時代の変わり目で、それをなんとなく感じていたのだと思います。

実は当時、新しく作られるオークション会社からスカウトがありました。その時は、そこまで考えられなくって、あっさり断ってしまいました。

今では、一部上場の全国規模の会社で、私がいた会社よりでかくなってます。そこで判断が違っていれば、人生も違っていたでしょうねえ。

今の人生がいいと思っているんで、失敗したとかは思ってないですけど。その後、私は会社をやめ、自分で商売を始めたり、いろいろ失敗したりしながら今に至っております。

どんな仕事も、必要だから役割があり、必要でなければ消えていくってことであります。

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